Refcome(リフカム)- リファラル採用を活性化するクラウドサービス

2018受賞企業インタビュー株式会社ドリコム

部署のOKRにリファラル採用の目標数値を取り入れ、リーダーも現場も意識を変える

2019.3.26#中途採用

当インタビューは、「社員にとって紹介したい会社作り」「本質的な採用における取り組み」を積極的に行う企業様を表彰対象とした「Referral Recruiting AWARD 2018」の受賞企業様への取り組みをお聞きするシリーズです。

「ダービースタリオン マスターズ」などのソーシャルゲームの開発・提供を手がける株式会社ドリコムは、かねてより社内に制度として存在したリファラル採用をここ数年で本格化し、様々な施策を行って社内に定着させ、社員にとって友達や知人を紹介しやすい仕組みづくりに取り組んでいます。今回は株式会社ドリコム 経営企画部大橋さんと組織開発部採用担当の木内さんに、具体的な施策の内容や、リファラル採用が社員の皆さんに与えた影響などのお話を伺いました。

株式会社ドリコム 経営企画部 大橋様、組織開発部採用担当 木内様

リファラル採用を強化したのは、「MVVS」を体現している人に会いたいから

  • 御社ではいつ頃からリファラル採用に取り組んでいるのですか?
  • 私(大橋)が入社した頃にはすでに制度としてはありましたが、今のように施策を伴いながら積極的に行うようになったのは2017年頃からです。

    弊社は2016年より他社の有する有名IPを用いたゲームを成長の柱とする戦略(IP戦略)に取り組みを開始、開発・運用ラインが増加していたことから、採用を強化し、組織が急拡大しました。採用は順調に進み、社員数は増加の一途を辿りましたが、多様なバックグラウンドを有する中途社員が急増したことから、価値観のぶつかり合いによる不協和音やコミュニケーションロスが散見されるなど新たな組織的問題を抱えるようになりました。

    そうした問題を乗り越えるべく、社員全員が共通の価値観を共有し、強い一体感を持ちながら更なる成長を可能とする組織をつくるべく、「Mission Vision Value Style(以下、MVVS)」を浸透させていこうということになりました。これは、弊社の代表取締役社長である、内藤が考えた経営の戦略(Mission)や指針(Vision)、社員の行動指針(Value)、組織としての考え方(Style)などを明文化したもので、ドリコムとしての一本化された価値観、規範というべきものです。

  • 社長自らがコミットされて改めて取り組まれたというのは重要なことだと思います。それでは、人事の皆さんは具体的にどんな取り組みをされたのでしょうか。
  • 2017〜2018年は中途採用で入社した社員が非常に多かったのですが、中途採用の方が入社する際には、会社制度やMVVSの説明などを行っています。その時に社員紹介に力を入れていますということも入れるようにしました。また毎月1回、全体報告会という経営者が全社員に会社の状態、経営の状況、各プロダクトの状況を話す場があるのですが、ここでも人事の役員が全社員に「社員紹介をお願いします」と伝える場を設けました。

    あとは私たち人事部のチームが約400人の全社員に会って面談をして、お話を伺って「誰かいないですか?」とお願いもしましたね。

一人ひとりに向き合いたいという思いから、全社員への面談を実施

  • 全社員に会うのは大変だったと思うのですが、なぜそうしようと思ったのですか?
  • まず、人事部としてリファラル採用を推進する上で、大きく分けて「社員が紹介したいと思える環境を作る」「熱量を伝える」の2つを行わなければいけないと考えました。そして、熱量を伝えるために一人ひとりに会って話をしようと。これは営業と一緒だ、みたいな(笑)。

    面談をすることによって、社員がリファラル採用に対しての疑問に思っていることや困っていることをヒアリングし、それを人事部で共有して解決していきました。例えば、紹介したいけど誰にどう紹介すればいいのか分からないという声があったので、社員紹介専用のアプリを作り、リファラル採用へのFAQや応募ボタンを掲載してそこから紹介できるようにしたり、候補になるかもしれない人と気軽に会えるように会食補助の制度を作ったりしました。この時は、まずは一人ひとりに向き合いたいという気持ちがあって、それぞれの人に合わせて話を聞いていきました。

    あとは、面談を通して「こんなに『社員紹介お願いします』と言っているけど、伝わってなかったんだ」とか、リファラル採用が意図と違うように捉えられていたということが分かったのも大きな収穫でした。

  • 面談の際、社員の皆さんにはどんなことを伝えていたのでしょうか?
  • 社員の中には会社に対してポジティブに捉えている人もいれば、ネガティブに捉えている人もいます。ポジティブに捉えている人には、同じ価値観を持っている人やMVVSを体現できる人と一緒に働いたら楽しいし、人生も幸せになりますよね、ということを伝えていました。そしてネガティブに捉えている人には、採用云々というよりは会社にそう感じてしまっている原因に対して何かできることはないのかと、結構根掘り葉掘り聞いていましたね。

    そんなことも含めて、一人ひとりに面談を行ったことは人事としても財産になっています。約3ヶ月間、一日1〜2人に面接をし続けていたので大変でしたが(笑)。

  • 「社員が紹介したいと思える環境を作る」ことに関しては、どんなことを行ったのですか?
  • 環境を整えるために具体的に行ったことは、カジュアル面談の実施やイベントを主催したことですね。

    カジュアル面談は、紹介された人にいきなり面接に進んでいただいても違和感があるので、「まずは会社のことを知ってもらって、その上でよかったら選考に入りませんか」と、面接の前にワンクッション置いたほうがいいのではないかということから始めました。

    イベントは元々「Drecom Tech Espresso」というテクノロジーブランディングのための勉強会を実施していたのですが、ここでもリファラル採用に繋げられるように社員に働きかけを行いました。イベント後の懇親会でぜひ来場者の皆さんとコミュニケーションをとってくださいね、ここで繋がった方を紹介してくれたらリファラル採用の対象になりますよ、という風に。それまでは何となく「イベントをやって繋がった、ラッキー」という感じでやってきたのですが、より意図的に行ってもらえるように伝えました。

    ただ、やはりイベントに登壇したり出席したりする人たちは目的が違います。勉強したい、自分のネットワークを増やしたいという目的で来ているわけですから、最初は来場者に「リファラル採用をやっています」と伝えた時にどんな反応になるのかは分からなかったです。

    でも、いざリファラル採用のことを伝えたら、ネガティブな反応になる人はいなかったですね。だから、もっとちゃんと伝えればよかったなと思いました。会社としても全社を挙げてリファラル採用を行っているわけですから。別にそのためにイベントを行っているわけではありませんが、そういう意図もありますよ、と。

  • リファラル採用の促進のために様々な取り組みをされていますが、その中でも皆さんが楽しんでやれたと思えることはどんなことですか?
  • やはり面談は楽しかったです。400人くらいいるので、正直言うと初めてお会いした方も多いんですが、「共通の趣味があったんですね」などコミュニケーションという意味ではよかったですね。1回会って顔や人となりが分かると、メールやオンラインでの周知もちょっと気持ちが入るというか、会ったこともない人に紹介するのとは違ってきますよね。

    あとは人事部のみんなもリファラル採用に対する意識が高くなるので、すごく細かいことですがChatworkの名前の横に「社員紹介お待ちしています」と入れるようになりました。社員面談も、その結果を共有してソリューションを見つけてというのもこのチームで行ったので、一体感は高まりました。

リファラル採用目標をOKRに取り込んで、部長もメンバーも動きが変わった

  • リファラル採用に力を入れたことによって、社員の方や部門のトップの方、または経営層の方は変わりましたか?
  • 2018年上期からのドリコムの目標が、MBOといわれる人事の目標設定からOKR(Objective Key Result)に変わりました。そしてリファラル採用の目標を各部署が持つようになりました。もちろん人事からの働きかけもありましたが、自分たちで人材を採用していきましょうということになり、各部署が目標数値を持ちました。

    目標を持ったことによって「今週、誰かに会った?」とか「勉強会に行ってきてよ」とか、部長がメンバーに声をかけてくれるようになったので、それが大きな変化でしょうか。この年は人事としてもすごくリファラル採用を促進していきたいと考えてましたし、各部門も「よりよい人材が欲しいから採用を強化していきましょう」という考えになったので、タイミングとしてもよかったと思います。

  • 様々な施策を行ってリファラル採用を強化した結果、どれくらいの方がリファラル採用で入社されているのか、数値で教えていただけますか?
  • 2017年の下期と2018年の上期で、社員から98人を紹介してもらい、そのうち14名が内定しました。

  • 今後の展望やビジョンなどを教えてください。
  • まず、会社として大事にしていきたいことは、MVVSのVision、価値観のところをどうやって全社に浸透させていくのかというところです。そのために、組織リーダー、具体的に言うと部長クラスを対象とした研修で、MVVSを自分たちの言葉でどうメンバーに伝えていくかという研修を行っています。それ以外では組織診断を定期的に行って、価値観の浸透がちゃんとできているかを数値で把握します。

    リファラル採用の仕組みに関しては、最近中途入社で入ってきている方は大体がリファラル採用なので、ありがたいことに当社のリファラル採用の仕組みは、ある程度自律的に回り始めているのかもしれません。

    でも、現状に満足しているわけではありません。というのも今の段階では当社のリファラル採用は失敗だと思っています。これだけの工数を割いて98人を紹介してもらい、その中14名が内定という数字を見ると、正直もっとやれるのではないかと考えています。目標が高すぎるのか歩留まりが悪いのかはまだ分かりませんが、もっとアプローチしていかなければいけない点だと思います。

  • なるほど。様々な施策の中には他の会社の方にも参考になる点が多かったと思います。また、リファラル採用を組織的に行うメリットなどを知ることができました。本日は興味深いお話をありがとうございました!