はじめに

リファラル採用でのお悩みの1つに、「社員の方がどの程度協力的に動いているのか分からない」といったお話をお聞きします。

他にも、

「社内でどれぐらい紹介制度が認知されているか分からない」
「候補者の方と実際にどれぐらい社員が接触しているか分からない」

など、見えない・把握できないといったお悩みを多くの方が持っているようです。

今回は、見えない・把握できないといった問題を解決するために、可視化(見える化)についてのお話を掘り下げて行きたいと思います。

可視化が必要な理由自体は非常にシンプルで、「どこに何の問題があるのか?」を分析するためです。

巷にあるリファラル採用の記事を読んでも、自社で同じように成功するとは限りません。自社のデータを見ながら、何をすれば良いのか1つずつ解き明かしていくことが、リファラル採用の成功に繋がっていきます。

可視化のやり方

様々な可視化の方法がありますが、まずはリファラル採用ファネルについてご紹介したいと思います。

ファネルは、採用決定に至るまでに、具体的にどこに歩留まりがあるかを把握するためのものです。これを見ることで、例えば下記のことが分かるようになります。

  • 求人内容の認知度
  • 実際に社員が動こうとしているか
  • 自社は応募しやすい会社か
  • 紹介採用の内定率がどうか

「紹介が発生していない」と一口で括っても、求人情報や紹介制度の認知が低いのか、社員が動いていないのか、候補者の方が断っているか、など、内部には全く別の問題が潜んでいます。対策についても異なってきますので、問題の切り分けが大切です。

もう1つの可視化方法についてもご紹介しましょう。部署・店舗の比較です。

部署・店舗の比較は、「上手く行っている、または上手く行っていないところはどこか?」を把握するためのものです。

部署別にリファラル採用の状況を比較すれば、金脈となる施策の発見率は大きく上がります。

例えば、成果が出ているところが可視化できれば、成果が出ている理由を調査することで良い活動を横展開できるようになります。

成果が出ていないところについても、何がリファラル採用の促進を阻んでいるのか、成果が出ているところと比較することで明らかになっていきます。

やってみる

例を通して、簡単に見ていきましょう。

以下のような架空の企業A社と、同規模の同業他社であるB社があったとします。

  • 業種:飲食・チェーン
  • 採用形態:アルバイト採用
  • アルバイトの人数:1000人

まず各社のファネルを覗いてみます。

(A社、同業他社のB社どちらも架空の数値です)

見ると、最終的な内定者数に大きく開きがあるようですが、原因となっているのは求人の閲覧数のようです。それ以降の数字は割合としてはほとんど開きがありません。

認知が8割方に広がっている同業他社のB社と、半分以下しかないA社では、最終的な内定者数が大きく異なっています。

A社では、認知を広げる施策を打つ事が最も効果があると判断できます。

ここでもし、求人の閲覧数が取れていなければ、様々な問題を検討しながら、当たるか分からない施策をやり続けるという大きな労力が強いられる可能性があります。

また、同時にB社の情報が手に入っていない場合も比較しづらく、何が良いのか悪いのか分からなくなるでしょう。数字が可視化されていない他社事例は自社と比較することが困難ですし、全く状況の違う他社の話は参考にしづらいため、なるべくファネルで可視化している他社事例が入手できると良いと思います。

さて、閲覧数に問題がある事が分かったところで、店舗毎の比較を行います。

店舗毎に求人の閲覧数を比較すると、下記のようにベスト3店舗、ワースト3店舗が分かりました。

ベスト店舗

ワースト店舗

渋谷店(150閲覧)

名古屋店(5閲覧)

恵比寿店(100閲覧)

大阪店(18閲覧)

池袋店(80閲覧)

福岡店(20閲覧)

ベスト店舗にヒアリングを行ったところ、アルバイトに内定を出した時点で「友達も一緒に働くと楽しくなるし不安も少なくなると思うから、誰かいれば教えてね」と声をかけるようにしており、紹介をしやすい環境を作っているようです。

実はベスト店舗は全て東京で、東京を統括する方が、独自に「入社フローに手を入れていた」ということも後にわかりました。

ここまで分かったら、東京の成功事例を横展開することで、業務がある中でも無理なく紹介を伸ばすことができるでしょう。

終わりに

今回はリファラル採用における可視化についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか?

リファラル採用は社員の方の協力が必要なので、会社のカラーによって行うべき施策は異なります。

自社に合った実効性の高い施策を行うために、ぜひ可視化を有効活用して頂ければと思います。

中森 恭平
株式会社リフカム 取締役CTO/カスタマーサクセス部 部長
2011年にSansan株式会社に新卒で入社し、名刺管理サービスEightの立ち上げから参加。
Eightでは、サーバ側のリードプログラマ、アーキテクトとしてサービスの拡大に貢献。
フリーランスを経て2016年からリフカムに取締役として参画。
2017年よりカスタマーサクセス部を率い、多数企業の支援実績をもとに、リファラル採用の型化や成功指標について日々研究を重ねている。

記事についてもっと詳しく知りたい、自社の課題にあった事例を知りたい、コンサルタントに具体的な採用のお悩み相談をしたい方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

記事一覧へ