はじめに

リファラル採用を行おうと思ったとき、人事や採用担当者が、メールなどで「採用難だから協力してください!」と必死に紹介依頼をしても、すぐに動いてくれる社員は1割以下であることがほとんどです。

当社が、リファラル採用を始めようとしている企業担当者様と話をする際には、「リファラル採用は人事・採用担当者だけが頑張るだけでなく、経営層や現場を巻き込むことが重要です」とお伝えしています。

では、なぜ「リファラル採用は人事・採用担当者だけが頑張るだけでなく、経営層や現場を巻き込むことが重要」なのでしょうか?

今回は、その理由と経営層や現場にやってもらったらよいことを事例をもとにご紹介します。

リファラル採用の主役は誰か?

この記事を読んでくださっているのは、経営者・人事という立場の方が多いと思いますが、あえてお聞きしたいと思います。

  • 「採用」という言葉を、一日に何回聞きますか?口にしますか?
  • 「採用」について一日にどのくらい考えていますか?

経営層の方は毎日とまではではいかずとも、人事や採用は経営に直結する課題であることが多いので、他人事ではないはずです。人事・採用担当者の方は「いつも」というくらい、採用が身近にあるものだと思います。

では、次の質問です。

  • 社員は、「採用」という言葉を1日に何回くらい耳にするでしょうか?

皆さんは、自社のいくつかの部門・職種の社員の方を思い浮かべたと思います。
どのような答えが出てきたでしょうか?

様々ある採用手法の中でも、リファラル採用にしかない特徴は「社員に自ら動いてもらわなければ成り立たないこと」です。
「リファラル採用の主役は社員である」 と言えるのではないでしょうか。

多くの会社で、社員が採用について日々の仕事で意識することは、実はほどんどありません。
例えば、人材業界の方ならば“顧客の採用”に関しては毎日考えてはいると思いますが、自社採用については意外と知らないことが多いと言います。

社員に「採用」に意識を向けてもらい、リファラル採用を活性化させるためには、人事・採用担当者の方が、具体的に社員の立場になって考えてみることがとても重要になります。

社員の立場になってみよう

ここでは、皆さんに社員の立場を考えてもらいたいと思います。

  • あなたの会社の社員は、日々どんなミッションを抱えていますか?

営業、エンジニア、デザイナー、店長、店舗スタッフ、介護福祉士・・・立場や業務内容によって、ミッションは様々です。

では、あなたの会社の社員たちはが、「同僚や仲間が増えるといいな」「会社に誘いたいな」という気持ちになるのは、どんなシーンでしょうか?

以下に、リファラル採用で入社に至った会社で、「社員が人が増えてほしい!」と強く思ったシーンの事例をご紹介します。

  • 新規事業立ち上げに関わってみたい、でも既存事業で手一杯で着手できない。手伝ってくれる人はいないかな・・・
  • お客様にもっと喜んでもらいたい、丁寧なサービスを提供したいのに、忙しすぎてミスが増えてしまっていて悔しい・・・
  • マーケティング部の立ち上げをやっている。自分の得意分野はできるが、〇〇ののスキルがある人がいればもっと成果が出せるのに・・・
  • ローンチしたサービスが好評で、顧客からは機能要望が日々上がってくるにも関わらず、開発リソースが不足していてスケジュール通りに進まず、非常にもどかしい・・・
  • 新しい施設がオープンした。きれいな施設だし、利用顧客も着実に増えている。やりたいサービスも色々あるのに、目の前の仕事で手一杯で十分なサービスを提供できているとは言えない・・・

上記はあくまで一例ですが、日々の業務中で、「人・仲間」に関して、「もっとこうだったいいのに・・・」と思いつつ、社員が自分で「誰かを誘ってこよう」という発想には、なかなかなりづらいものです。

では、どのようにすれば、社員が「自分で誰かを誘ってみよう」と思うようになるのでしょうか。

社員が「自分で誘おう」と思うために必要なこととは?

社員に「自分で誰かを誘おう」と思ってもらうためには、誰が、どんな情報(メッセージ)を、どんな方法で伝えるかがポイントです。

①経営者から

◎部長クラスへのメッセージ
部長クラスには経営視点で採用がミッションであることを伝えます。部の目標を達成するためには優秀な人材は不可欠。配属された人材の育成責任が部長にあるのであれば、自部門の人は自分の信頼おけるメンバーから集めて来てもらえることを奨励するように伝えます。また採用に関して、部門の評価・報酬に組み込むことで、より早い成果を見込めます。

1回だけでなく、部長会議などの機会がある度にアジェンダに組み込みます。そのくらい重要なことであるという経営意思が必要です。

◎社員へのメッセージ
会社としてなぜ採用が必要なのか?を経営者の言葉で語ります。例えば、会社が何を目指しているのか?数年後どんな会社になりたいのか?それには社員がどの程度重要なのか?みんなが協力してくれることで、社員はどう変われるのか?どんな未来があるのか?等です。

社員の皆さんにも、なぜ協力してもらいたいのか?を伝えることも重要です。人事や採用担当だけでなく、社員が紹介してくれることで、どんないいことがあるのか?等です。

②部署のトップ(部長やリーダー)から

経営層からの発信により、会社として採用に社員が協力する意義がわかったとしても、日々の業務に戻れば他人事になってしまう人も多いのが実情です。そこでより身近な人から協力依頼をしてもらうことが、継続的な採用成果につながります。

◎具体的な人材像や必要性を例示する
部門でどんなポジションの人がいればいいか、どのようなスキルがある人がいてくれるといいのか、具体的に部長やリーダーから社員へ伝えましょう。

「〇〇さんのような人がもう一人いてくれたらメチャクチャ助かるよね」、「△△さんと一緒に動いてくれる人に来てほしい」、「君のサポートをしてくれる人、誰かいない?」、「××さんが大変そうで猫の手でも借りたい状態で・・・」等、既存社員の実情と紐づけて伝えると、「どんな人を紹介したらよいか」を社員がぐっと考えやすくなります。

◎オフィスやデスクから離れた場所で会話のきっかけを作る
部長やリーダーからの声掛けは、会議やミーティング、1on1を活用するとよいのですが、ちょっとした時に聞いてみることで、社員が動いてくれることが意外に多いようです。

例えば、同行した時の道中に業務上の相談を受けた時、懇親会などリラックスしたモードの時、喫煙所で世間話をする時など、「そういえば・・・」と気軽に聞いてみると社員の意識にも残りやすいものです。

本業で頭がいっぱいの時には、「そんな暇ない」と思ってしまいがちなのが人間とも言えます。
また部門内で、友人を紹介してくれた人を朝会で発表し、感謝の言葉を伝えるだけでも社員のやる気が高まるという事例もあります。

③人事・採用担当者から

リファラル採用における人事・採用担当者の役割は、現場の声を聴いて、それを反映した仕組みや制度を作ったり、定期的に全社へ情報を発信したりすることです。

現場から友人を紹介する上での困り事や要望をきちんと聞いて、仕組みや制度作りをします。
例えば、社員とのヒアリング面談実施、インセンティブの設計、受け皿づくり、社員に負担をかけない紹介方法の工夫、リファラル会食費用負担の制度などがあります。

また、現場で起こっているリファラル採用の成功事例を社内ポータルやSNSで紹介したり、表彰制度をつくって全社集会で表彰したりするとよいでしょう。

その他、せっかくの紹介を無駄にしないために、社員や応募者の紹介情報を管理し、抜けもれのない対応を行うことも重要です。

リファラル採用は全社で取り組んでこそ成功する


社員が採用を自分事化し、積極的に友人を紹介してもらえるようになるためには、人事や採用担当者からのアプローチだけでは不十分です。

経営層からの会社のビジョンと未来と紐づけたメッセージ、部門長からのより具体的なリアリティある声掛け、人事による成功事例の定期的な発信や社員にとってメリットのある制度・仕掛けづくり等々。

全社一丸となって取り組むことで、より早く、よりスムーズに、リファラル採用・仲間集めが当たり前の会社に進化することができるのです。

村上 瞳
株式会社リフカム カスタマーサクセス部 コンサルタント
人材紹介会社で営業・カスタマーサクセス・人事を経て、株式会社リフカムに入社。前職では、経営に近い立場で人事戦略立案・実行、採用面では「採用チーム組成」や「リファラル採用」を推進するなど、現場を巻き込んだ成果創出に貢献。
リフカム入社後は、人事・採用経験を活かしクライアントに寄り添いながらリファラル採用を切り口に「社員が紹介したい会社づくり」を目指して邁進している。

記事についてもっと詳しく知りたい、自社の課題にあった事例を知りたい、コンサルタントに具体的な採用のお悩み相談をしたい方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

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