はじめに

当社がリファラル採用を支援させていただいている、ある飲食チェーン店の事例をご紹介します。

そのお客様は、本社人事統括部門がリファラル採用のプロジェクトオーナーとなり、全国にある各店舗の店長(正社員)を現場の推進リーダーとした体制で、店舗のアルバイトスタッフのリファラル採用に取り組まれています。

運用開始から数ヶ月経過後、複数ある店舗で、施策や成果に明らかな差が出てきたことがわかりました。
本社からは同じ連絡、同じ依頼が現場に渡ってきているはずなのに、なぜなのでしょうか?

その原因を紐解くべく、当社のコンサルタントが店長さんにインタビューを行ってきました。

店長Aさんの場合:エリア特性、時期要因を把握。スタッフに新しいスタッフを採用する必要性を訴えることで成果につなげた

店長Aさんの担当する店舗の場合は、お店の近所にある大学に通う学生さんがアルバイト候補としてターゲットになっています。現在アルバイトとして勤務するその大学生に、新しいメンバーを誘ってもらうための工夫を行ったそうです。

エリア特性

  • 求人媒体が効果のない地域。店舗のオープニングの際も人が集まらないくらいだった。
  • 近くに大学があるが、小さな学校で、取り合いになっている。

時期特性

  • 採用可能なのは、大学生の新生活が始まる4月5月のみ。
  • そこで、”人が足りないので、みんながどれくらい呼んでくれればどれくらい仕事が軽減され、良い接客ができるようになり、よりシフトを増やすことができるようになるか”を、1年くらいかけて声をかけ続けていた。
  • なので4月5月を迎えた時に「よし、この時期に友人や後輩へ声をかけよう」という意識づけがすでにできていた。

店長Bさんの場合:副店長と協力し、数値シミュレーションを頭にいれて動くこと

店長さん一人だけが頑張るのではなく、副店長さんの力も借り、店舗全体として採用を強化していきたいことを真摯にスタッフに伝えていくことが大事だと仰っています。面談時から紹介を意識させる行動を行い、紹介からの採用への意識が自然に向くようにする、などの工夫が見られています。

また、リファラル採用での実績を元に、1人あたり何人くらい紹介してもらえれば、採用が充足するかなどの数値イメージを持った活動をされています。

複数社員からの声がけ

  • 数値を店舗で告知することを心がけ、成果につながったと感じている。
  • 店長と副店長はシフトが交互に入ることが多いので、それぞれが協力して声がけをしていった。
  • 特に当時副店長のCさんが非常に協力的だった。

副店長Cさんの動き

  • 店長が異動の際に人材不足と重なったので、面談時に携帯を用意してもらって、こちらではリファラルの資料を持って行って、その場で登録してもらった後、その場で5人誰かにスカウトを送ってくださいと言っていた。
  • この店舗の場合、紹介経由での採用が10%と聞いていたので、一人が5人にスカウトを送ってくれれば数人はとれると考えていた。

店長Dさんの場合:アルバイトの満足度を高めて店舗の雰囲気を改善していく

着任時、店舗の雰囲気があまり良くなかったと感じた店長Dさん。アルバイト同士の人間関係を改善することで、店舗へのエンゲージメント(その店舗で働くことを他の人に勧めたい気持ち)を改善し、雰囲気の改善を図ろうとした、と仰っています。

「もうすぐアルバイトを辞めそうだ」という友人に絞って紹介してもらう

  • リファラル採用の考え方として、手当たり次第に紹介をしてもらうことはリスクだと感じ、それはしなかった。
  • それよりは、「バイトをもうすぐ辞めそう」という友人がいるメンバーに、ピンポイントに絞って紹介を送ってもらい、採用につなげている。
  • 紹介されて入ってきた子の紹介でさらに紹介も発生している。人員に余裕が出て、土日にも休ませてあげられるようになった。

店長Eさんの場合:手順を示して紹介の方法を具体的に教える

様々な接点で周知を繰り返すことが重要だと言っているのは店長Eさん。
全店舗のバックヤードに、紹介を依頼するポスターは掲示されているものの、そこだけではスタッフに認知されないと感じたEさんは、アルバイトとのやりとりで使っているSNSや、閉店後のミーティングの際にも友人紹介の話を具体的に盛り込むことで、実績が増えていったということです。

ポスター掲示だけではみんなは動いてくれない

  • まずはみんなにサイト(募集要項が掲載されたRefcome上のWebページ)を見てほしいと思った。ポスターは貼ったが、それだけではやっぱりみんなやらないと思った。
  • グループラインで、そこに自分が使っている時の手順も載せて送ってみたら、みんなが内容を理解してスカウトを送ってくれるようになった。
  • 新人スタッフが入ったばかりの時や、1日の振り返りの話をしている時にもRefcomeの案内をするようにしたら、紹介が発生するようになった。

店長Fさんの場合:オリエンテーション時に、紹介について説明をする

店長Fさんの店舗は、常に人不足で「困った店舗だった」そうです。
それを解消するために、友人紹介に心理的障壁の低い、若いメンバーの巻き込みが必須だったと仰っています。

リファラル採用が当たり前、な雰囲気づくり

  • やはり若い子や、入って間もないメンバーが紹介に協力的だという印象がある。
  • オリエンテーションの時にリファラルについてお話しして、やってもらうようにしている。

店長Gさんの場合:紹介の手間を軽減させる仕組みが重要

店舗のオープンから2ヶ月が経過しても、まだアルバイトが足りていない状況だった店長Gさんの店舗。店長さん、副店長さんの地道な依頼により、徐々に紹介が発生したと言います。
また、紹介時の手間がかかると紹介数が減ってしまうので、そこを軽減できるように、簡単なフローで紹介できることを事前にスタッフへ伝えておくことで、実績につながったと感じているそうです。

リファラルでスタッフ数がほぼ十分集まってきた

  • 店長と副店長から「友達を連れてきて」とずっと言っていたら、その2ヶ月後、4月のタイミングで何人か声をかけてくれた。
  • スタッフの名前を自分で選択して、友達の名前も聞いて招待文章を発行する作業を店長が代行して、スタッフには「これを友達に送ってくれるだけで良いよ」と案内していた。
  • ちょっとした手間を省いてあげたのが良かったのでは。

店長Hさんの場合:アルバイト一人一人の負荷軽減を第一に

店長Hさんの店舗のスタッフの特徴は、余裕のあるシフトを希望することが多いそうです。
彼らのシフトの希望を叶えるためにアルバイトの数を増やす必要があることを真摯に説明していきましたが、誰でもいいわけではなく、新しいメンバーの希望も聞きつつ、全員にとってメリットのある、確実な採用につなげられたと言います。

在籍しているアルバイトの希望も、新しいアルバイトの希望も叶える採用に

  • 現アルバイトの出勤率が悪かったので、人を増やす必要性について、積極的に声をかけていた。
  • スカウト数というよりもピンポイントで狙うことを考えていて、出勤できる頻度とかを聞いた上で、「この人良いのでは」という人にスカウトをしてもらっていた。

店長Iさんの場合:友人を紹介したいというアルバイトの要望に迅速に応える

店長Iさんの店舗に勤務するアルバイトは、出勤率が元から高く、さほど採用に関する必要性は感じていなかったそうです。おそらく店舗内の雰囲気が非常によく、離職も少ないからなのでしょう。そういった「恵まれている環境」内だと、自然に紹介が発生するケースも多く起こってきますが、その際にスムーズなフロー、受け入れを行える環境を用意しておけると、さらに従業員満足度も上がってくるのではと考えています。

積極採用していなくても、友人を紹介したいアルバイトの気持ちを大事にできる仕組み

  • 出勤率がもともと高くて採用については特に考えてはいなかった。
  • ただ、友達を連れてきたいと言ってくれてる人は採用したいと思っていた。
  • 使い方がわからなかったので、リフカム社に直接連絡したら、迅速に対応してくれてそこからスムーズに進むようになった。ほかの人もわからないことがあれば聞いたら良いと思う。

まとめ

同じ飲食チェーン店で、同じメニューを提供していて、似たような規模だったとしても、現在のスタッフや周囲の環境などによって、店舗ごとに抱えている採用の課題はまちまちです。

その際、「基本的なツール」(例えばポスターなど)は、本社組織から提供するだけでなく、店長さんの裁量によって、スタッフへのアプローチをフレキシブルに変えていく必要があることがわかります。

これを踏まえると、多店舗展開されている企業様でのリファラル採用の成功のキモは、店長さんや副店長さんなど、現場のリーダーをどのように巻き込んで自分ごととして採用に取り組んでもらうか、にかかっていると言えるでしょう。

山下 恵美
株式会社リフカム マーケティング部/Webマスター・Referral Insight編集長
CGアニメーション制作会社、NTT系Web制作会社、ネット広告代理店を経て、株式会社リフカムに入社。
リフカム入社後はWebディレクターとマーケティングコンサルタントの経験を生かし、リファラル採用の市場拡大に貢献するためにSaaSビジネスでのBtoBマーケティングのあるべき姿を日々追求している。

記事についてもっと詳しく知りたい、自社の課題にあった事例を知りたい、コンサルタントに具体的な採用のお悩み相談をしたい方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

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