はじめに

リファラル採用について、既にご存知の方も多いと思います。

具体的なノウハウについても、当社の記事だけでもそれなりに出てきました。

なので今回のテーマは今更感があるかもしれませんが、「コネ採用や縁故採用とリファラル採用の違い」としてみました。

おそらく、実際にご自身の会社でリファラル採用を推進していたり、自分でもリファラルをしたりされた経験がある人は、なんとなくでも違いが分かっていると思います。

一方で、これまで「リファラル」という言葉を聞いたこともない人が、突然「誰か知人を会社に紹介して」と言われたら、コネ採用や縁故採用と混同してしまうかもしれません。

もっと言うと、ネットワークビジネスのように感じられて、「会社に友人を売りたくない」となってしまうこともあると思います。

これらは全て誤解ではありますが、紹介というチャネルを考えると似ている部分もあるので、そういう印象があるのも仕方がないかもしれません。

社員の方から上記のようなことを言われてしまった時に、どうお伝えすれば正しく理解をしてもらえるか。

今回の記事がその答えの一つになると嬉しく思います。

そもそも、リファラル採用って…

WBSやイノベンチャーズ列伝といったテレビ番組に取り上げていただいた際には、実際に下記のようなコメントがTwitterでは流れていました。

「コネ採用はダメだけど、リファラル採用は素晴らしいみたいな話あるよね」
「リファラル採用? 縁故や、縁故! 縁故採用て言え!」

などなど。

他にもいろんな意見がタイムライン上には流れていました。

みなさんはどの内容に一番説得力を感じるでしょうか?

当社では、リファラル採用とコネ・縁故採用は完全に分けて考えています。

なぜなら、「紹介された人が入社する」という共通点はあるものの、それを行う目的やプロセスが全く異なるからです。

下記の表を見ていただくと、どれだけ違うものであるかは理解してもらえるのではないでしょうか。

見やすくするためにシンプルにしていますが、大きくズレているところはないと思います。

ちなみに、ついでなので、ネットワークビジネスとの比較も書いておきました。

「会社に友人を売るみたいで嫌だな」というコメントはネットではあまり見かけませんが、お客様の社員の方々から生の声を聞いてみると、こういった気持ちを持たれている社員の方も一定数いるためです。 image (144)

いかがでしょうか。

こうしてみると、コネ・縁故採用とリファラル採用はだいぶ違うものだということがわかると思います。

むしろ「紹介された人が入社する」ということ以外には何も共通点がないのでは? というくらいにはかけ離れたものではないでしょうか。

リファラル採用とネットワークビジネスとはもちろん全く共通点はありません

一方でネットワークビジネスとの比較ですが、こちらは誘う側からの目線で考えれば、もちろんリファラル採用とは似ても似つきません。

むしろ皆さんが心配されるとしたら、

「大切な友達やせっかくできた知人にネットワークビジネスの人だと思われたらどうしよう」

という、受け手側の反応ではないでしょうか。

これについては持論ですが、大切なのは、

「アピールしたいものが自分の会社だろうと、情報商材だろうと、一方的な売り込みをされればそりゃ誰でも不快になりますよね?」

という視点だと思います。

一緒に働きたい、うちの会社に合うんじゃないか、と考えたとしても、それはあくまで自分の感想です。

興味がない人にしつこく勧誘をしても、迷惑がられてしまいます。

友人・知人への良いアプローチとは

そうならないために大切なスタンスは、

  • 強く売り込むのは相手が転職を考えていると知っているときだけ。あるいは、入社したらその人が幸せになるという強い確信があれば可
  • それ以外の場合は、まずは会社や仕事の特徴・魅力を共有する
  • もし興味があれば「面談」や「説明会」といった場に案内することができる、という事実を情報提供して、判断は本人に任せる

ということだと思います。

本当は「口説く」ということまでできればベストですが、その手前に「正しく情報を伝えて、相手の判断や反応を見る」というアクションを置くことで、押し売りのようにはならずにコミュニケーションをとることができます。

基本的に「転職を考えていなくても、良い案件があれば情報はほしい」と考えている方はかなり多いので、情報提供をされて嫌がられるケースはそれほど多くないのではないでしょうか。

一方、上記のようなことをしやすくするために、会社側は制度を整えておく必要があります。
「いきなり選考に呼ぶのは無理だけど、外部にも開かれたイベントがあるからそこに呼んで、まずは会社の雰囲気を知ってもらおう」
「紹介されて入社した人にもインセンティブが出るから、軽い気持ちで話題に出しやすい」

と社員の方に思ってもらえるようにならなければ、転職を考えていると分かっている人にしか声をかけられなくなってしまいます。

また、会社の特徴や魅力が簡単に話せるような材料を用意することも大切です。

まとめ

途中で少し話がずれてしまいましたが、結論としては以下のとおりです。

  • リファラル採用はコネ採用、縁故採用とは完全に別物
  • 友人や知人との関係性を大事にしたければ、まずは情報提供から始めること
  • 会社は社員が社外に発信しやすいように、制度や手助けアイテムを準備する必要がある

これらをしっかりと理解して実行していけば、自分の会社について友人・知人に話すことを後ろめたく感じることはなくなると思います。

むしろうまく話が進む場合は友人・知人にとっても自分の会社にとっても良い影響を与えることができますので、「良いことをしているんだ」と胸を張って言えるようにしていきたいものです。

広まってきているとはいえ、リファラル採用はまだまだマイノリティです。

リファラルの正しいあり方と意義が伝わって、会社も個人も「リファラルやってないなんてありえない」と言えるくらいの社会にしたいな、と思います。