株式会社ビズリーチ HRMOS採用管理事業部長 古野 了大 様

HRテックビジネスにおけるリーディングカンパニー、株式会社ビズリーチ。「企業をアップデートする”Human OS”」をコンセプトにしたクラウドサービス「HRMOS(ハーモス)」。
本プロダクトが産まれた背景から、プロダクト・サービスへのこだわり、そして技術によって採用はどう変わるか、などについてお話を伺いました。

株式会社ビズリーチについて 
「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」をミッションとし、2009年4月より、人材領域を中心としたインターネットサービスを運営するHRテック・ベンチャー。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、シンガポールに拠点を持ち、従業員数は1291名(2018年8月現在)。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や、挑戦する20代の転職サイト「キャリトレ」、戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」、求人検索エンジン「スタンバイ」、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」などを展開。
参照URL:https://www.bizreach.co.jp/

HRMOSというプロダクトが生まれた背景

今、有効求人倍率は約1.6倍ととても高く、バブル期並の水準です。国内における労働生産人口の減少も伴い、熾烈な人材獲得競争が起こっています。グローバル競争やビジネスモデルの変化に耐えうるためには、イノベーションの源泉となる「人材」がますます重要になると言えるでしょう。

当社は、即戦力人材の「ビズリーチ」や20代優秀層の「キャリトレ」など、採用におけるデータベースを運営してきました。これまでは、採用という側面から企業をご支援してきましたが、採用だけでなく、人が輝き、活躍するための支援をできないかというところからHRMOSが誕生しました。

HRMOSは今後、シリーズ展開を予定していますが、最終的には人材におけるデータを一元的に管理することで、「どのポジションであれば、やりがいを感じ、活躍できるのか」「活躍する人材が、どのような経路で採用したか」など、一人ひとりをより立体的に見ることができるようになります。

属人的な採用からの脱却

まずは、採用におけるデータの可視化・分析を支援するために「HRMOS採用管理」を、2年前にリリースしました。

これまでは、人の経験と勘に頼っていた採用も、属人性を排除して分析すると様々な流れが見えてきます。たとえば、Aの媒体とBの媒体では、どちらが効率的なのか、どのエージェントが要件にあった人材を紹介してくれているのか。全体が可視化されると採用経路を最適化していくための取り組みができるのです。

また、HRMOS採用管理には、リファラルの機能もあります。社員にアカウントを発行し、紹介したい方の情報を直接入力してもらうことで、採用担当者が入力する手間を省けるだけでなく採用経路の一つとして一元的に管理ができるのです。

我々は複数の採用経路から、最適なものを横断的に見て戦略を立てられるツールであることを掲げています。このように複数の採用経路のデータを可視化・分析することで、仮説をたててPDCAをまわし、より強い採用につなげていくことができます。

また、日程調整や候補者の管理などを自動化していくことで、本来、採用担当者がやるべき戦略立案や、候補者と向き合う時間の創出など、企業の採用成功のための取り組みにフォーカスできるようにしたいと考えています。

潜在層へのアプローチやマーケティング視点が重要に

人材獲得競争の中でこれから必要になることは、今、仕事を探している人ではなく、転職意向がない方にも、いかに自社の魅力を感じていただくかという点です。

「今月は何名採用しなければ」ということに追われるのではなく、本当に採用したい方であれば、常に接点を持ち続ける必要がある。無理やりにではなく、お互いのタイミングがあったときに「ぜひ一緒に仕事をしませんか」というスタンスを続けることは、非常に重要になってきます。

HRMOS採用管理には、タレントプールという機能があります。タレントプールを活用すれば、一度接点をもった候補者に、継続的にコミュニケーションをとることができます。
マーケティングでもCRMやナーチャリングという考えがあるように、これからの採用にもこのようにマーケティング視点をもった採用が求められます。

また、消費者マーケティングでは口コミも重要です。採用に置き換えると、自社の社員が幸せに働いて、自分たちの会社に誇りをもって、自分たちの会社を誰かに紹介したいという気持ちが芽生え、それがリファラルや口コミにつながる。社員エンゲージメントをどのようにすれば向上できるのか、ということに思考を巡らせて、そこからつながっていく潜在層の採用を考えていくべきです。採用における戦略を考えるうえで、その範囲が広くなってきている、というのが現状ではないかと思います。

社員自身が一緒に働きたい人を探す

当社には、『事業づくりは組織づくり、組織づくりは仲間探し』という言葉があり、事業を創っていくための重要な要素の一つは、そこで働く仲間である、と考えています。

リファラルを推進する「リクルーティングプロジェクト(リクプロ)」は、本当に自分たちが一緒に働きたいという人を探して、仲間になってもらうための部署横断のプロジェクトで、戦略を考えたり、新たな企画をしたりする中で、部署横断のコミュニケーションのきっかけにもなっています。

経営陣自身も採用に自分の時間の多くを割いていますので、その姿勢を見せることで、自然と文化が作られています。

リファラルにおいては、文化として根付かせることももちろん大切ですが、まずは、採用が事業に貢献するもので、経営に最も近いことができている、という実感を社員がもつことも重要だと考えています。

これからのHRMOS採用管理

このようにリファラルを強化している当社ですが、HRMOS採用管理は自社の採用の課題解決のために、開発した背景もあります。

従来型のB2Bの業務支援システムですと、システムに対して社員が合わせ、業務プロセスを変えていくことが多かったと思うのですが、これからのB2Bのサービスは、社員であってもお客様であるという考えがあります。

当社では社員全員にHRMOS採用管理のアカウントを発行していますが、B2Cサービスと同じようにUI・UXにこだわり、初めて利用する人も直感的に使えることを大切にしています。
HRMOS採用管理においては、複雑な業務であっても、すぐに理解できるUXに優れたサービスを開発していこう、と決めています。

また、リファラル関連の機能については、リファラルも含めた採用経路別のROIを計測できる分析基盤を強化していく予定です。

HRと教育の類似点

私自身はかつて、教育業界のB2Cサービスに携わっていました。ビズリーチに入社後も、サービス全体のプロダクトを見る中で「働く人が生き生きと活躍する社会を、どうすれば実現できるのか」と、そればかり考えていました。

転職や異動などのきっかけも、ひとつの大きな学びの瞬間だと思います。人が成長していく中で、人と出会ったり、環境が変わることで、次のキャリアの道筋を見つけたりスキルを身につけたりする機会があるのではないでしょうか。

私は広い意味でHRも教育のひとつなのではないかと思っています。人が成長し続け、やりがいのある場所を探すためのサポートをするという点で、教育とHRは私の中ではつながっています。

また、働いている人たちが成長することは、その企業の成長に直結します。働く人に投資を惜しまない企業は、候補者にとっても働きたい会社となり、自然と候補者が集まる、という循環ができていくと言えます。

これからも、HRMOSのプロダクトを通じて、働く人が活躍する社会を支援したいと考えています。

—「人事がやるべき仕事に集中するために、技術力で解決していく」という、HRMOSというビジネスを背景に一貫したストーリーをひしひしと感じました。

本日は大変貴重なお話をありがとうございました。