株式会社LiB(リブ) 代表取締役 松本 洋介 様

女性の自分らしい生き方をHRテックで実現する、株式会社LiBの松本代表取締役社長にお話を伺いました。松本社長がターゲットを女性とした理由、企業の躍進の鍵など、時代の先端をいく考え方を余すところなく伝えていただきました。

株式会社LiBについて
2014年設立。「生きるをもっとポジティブに」というビジョンを軸に、<多様な働き方のプラットフォーム創り>と<ライフキャリア支援事業>に挑戦するLiB。女性と仕事、そして生活をつなぐサービスを通じてがんばる女性を応援しています。
参照URL:https://www.libinc.co.jp/

株式会社LiB立ち上げに至る想い

起業するときには大きなテーマをやりたいと思っていました。学生のときにバックパッカーをして、世界中の国で日本人という扱いをされてから、「日本人アイデンティティ」がとても強くなりました。いつかは世界で仕事がしてみたいけど、世界を語る前にまずは大好きな故郷である「日本にインパクトを与える仕事がしたい」と考えました。

そこで日本の現状を見ると、人口構成、世代の歪みがあります。社会保障はすごく高いけど、生産性が低い状態になってしまっている。それを打破するためには働く人の総和を増やすこと、生産性を上げていくこと、その2つを解決していかなければいけない。そこの打ち手を僕たちの世代が打っていくことが100年後200年後の日本の未来に繋がる、と思いました。

男性だからこそ、女性という領域に切り込む

その打ち手を考えるときに、女性が一番大きなポーションだと思ったんです。日本は大学の教育までは男女の差がない国だと考えています。最近では新卒採用でもジェンダーギャップはなくなってきているので、社会にはスッと出られるようになりました。でも「働き続ける」となった瞬間に難しいこともあるので、ここをブレイクできれば、インパクトが大きいというマクロの観点がひとつありました。

あとは実際に自分のキャリアの中で活躍する女性を見ていたのも大きいです。前職場がIPOしたのは本当に8割くらい女性の力でした。そのミクロの観点からも優秀だなと感じ、ここが合致したのでこのテーマは自分がやるのにふさわしいな、と思ったのがこの領域に取り組むきっかけでした。

これまで女性のメンバーに支えてもらい、上場までさせてもらった僕からの、女性たちへの恩返しといった意味合いもあります。働く女性と一緒にやってきて、優秀だったことが良く分かっている僕がやる、ということがすごく良いのではないかと思っています。

あとはお金と人を集めて組織と事業を作って、大きな規模にしていける人がいないと、やはり進まないなと思っていて。もちろん草の根的な活動も大事ですが、女性の活躍って、国を挙げての問題じゃないですか。なので、いち早く全国区になって、さらにエスタブリッシュが無視できない規模、国も経団連も無視できないような規模になって、必要であれば東証一部に上場して、そうしたかたちで僕たちがインパクトを持って交渉力を持っていかないと、話が進まないなと。

僕みたいにある程度経営がわかって、お金と人も集められる人が、しかも「男性なのになぜこのテーマに興味がある?」っていう珍しい人間が旗を立てれば、きっと集まってくる社員には女性がたくさん増えるはずだから、この掛け合わせでこのテーマに向き合ったら進むのではないかな、と思いました。

仲間集めとストーリー

前職のときは、今ほど採用のTipsやノウハウが流通していなかった気がしています。ひたすらエージェントを使ったり、媒体に広告を出したりといった、いわゆる旧来型の採用手法に終始していました。

リファラル採用という言葉もなかったというか、知りませんでした。ネーミングって本当に大事ですよね。「リファラル採用」とネーミングができると、みんなで「あれやろうぜ!」と、盛り上がりやすいですね。当時は社員紹介という言葉はあったかもしれないですけど、偶発的なものばかりでした。そういう理由で、全然仲間集めが仕組みとしてうまくできた記憶がなく、特に中途の採用はずっと課題でした。

中途は本当に苦戦しており、活路は新卒採用だったんです。結果として当時は新卒カルチャーの会社、新卒が活躍する会社でしたので、新卒を採って、ちゃんと育てよう、といったことが思考の8割くらいでした。

あとは業績拡大や、ドメインで競合に勝つ思考のほうが当時は強かったです。まずはこのマーケットで一位になろう、みたいな。ですので、カルチャーやビジョン、コンセプト推しの採用はほとんどしていませんでした。今は自分が社長ということもあり、事業のテーマ、フェーズ、コンセプトを絞って採用ができている気がしているので、今のほうが人材を集めやすいですね。

違いがあるとすれば、ストーリーで推すかどうかだと思います。前職での一番の課題は採用でした。その記憶があったので、会社を作るときには採用力のある会社にしようということは腹に決めていました。そのときに武器になるのはストーリーだと思うので、リファラルに直結する採用広報、メッセージに関しては、元々PRマンなのでしっかり設計しています。

当社を創業して一番最初に採用した社員は広報なんです。お客様も、仲間も、お金も、全部のステークホルダーを一気にメッセージやストーリーで惹きつけて巻き込むって決めていましたから、一番先に広報を採用しました。

ストーリーの価値

そういったストーリーを元に採用をしていると共感性が高い仲間が集まるので、根っこがすり合っているということがすごく楽ですね。細かいすり合わせがいらないというか。あとは迷ったときに立ち返るものがあるっていう意味でも、ストーリーはすごく根強く効くものだなとは思っています。

ちょっと話がずれますが、リファラル採用って素晴らしいなと思っていて。会社をやっていて、一番勢いがつくと感じる瞬間って、たくさんの提携先が決まった、大型の案件が受注来た、よりも、良い仲間が来た瞬間だと思うんです。そして一番の福利厚生は良い仲間と働くことだとも思っています。会社を一番成長させて、社員のテンション、モチベーションを一番上げて、抜本的に変えていくのは、やはり採用だなと思っています。特に、仲間が仲間を呼ぶ採用、絆が生まれやすい採用が一番良いな、と心から思っています。そうなると、社長として一番評価したい社員は、良い仲間を連れてくる人ですね。

女性にも男性と同じような選択肢の中から人生を選んでほしい

LiBでは、月額定額制の採用支援サービスを企業に提供しています。企業側が迷いなく女性採用を加速できるよう、成果報酬から月額定額制サービスに切り替えました。

男女で比べたときの一番のギャップとは、仕事の選択肢の数だと思うんです。同じスペックの男女がいたとき、得られるオファーの数は、あくまで感覚値ですけど、倍くらい違うなと思っています。男性のほうが圧倒的に求人、オファーが多いんです。

そうすると、成果報酬型にして企業側にホスト感が入ると、摩擦が大きいのでは、と。とにかくまずは「LiBを使えば企業側は無料で見られる」というカードを切ることによって、企業側は経済効率性が発生しますよね。そうしたら、たくさんの選択肢を摩擦なく出してくれるのではないかと考えました。

それは翻って言うと、候補者側にとっては他の会社に行くよりも、LiBのほうがたくさん選択肢が飛んでくるという世界になるのではないかと。とにかくその選択肢を最大化させたいという思いです。そしてそれはまた次もLiBにカスタマーがたくさん集まることを意味しているので、その好循環が作られれば、個人と企業の双方にとって良いマッチングのプラットフォームができるのではないかと確信しています。女性の方にも、男性に負けない選択肢の数の中から人生を選んでほしいと思っていますし、その選択肢を提供できるプラットフォームでありたいと思っています。

一方で企業にとっては、そのプラットフォームがあるからこそ、優秀な人が集まってくる池があって、そこで色んな方々に出会える。多くの企業の課題は人や採用で、そこで今つまずいている会社が非常に多いと思います。採用できずに倒産というケースもある中で、人の問題で事業がスタックしないように、「LiBと付き合えば、いつでも優秀な方と出会えて、事業を前に推進できる」という、プラットフォームにできたら良いなと思っています。

そして綺麗事だけじゃない女性活躍推進は本当に難しいのですが、一番はやっぱり女性が活躍して利益貢献して、「女性がいると事業が進むよね」という状況を作るのが大事なので、それを一日も早く作りたいと思っています。

ワーキングマザーの姿勢と生産性から多くを学んでいる

LiBも創業期からママ社員にたくさん支えてもらっていますが、彼女たちは仕事への腹の括り方も良いですし、時間の使い方もすごく良いです。フルタイムワーカーも、ママ社員から姿勢と生産性を学びますね。なおかつ、融通の利くベンチャーとママさんってすごく相性がいいなと思っています。こちらとしてはパフォーマンスを上げてくれれば細かいことは気にしないので、変なしがらみやステークホルダーの多い大手よりも、親和性が高いと思っています。

ただやっぱり、大手が動かないとマスが動かない、つまりママ社員が活躍できる席が増えないので、ベンチャーだけが動いてもだめだなと。僕はベンチャーや中規模の企業あたりでたくさんの事例を作って、その事例が背中を押して大手が動いて世の中が動く、という流れができたら最高だなと思っています。

あとは狙ったわけではないですが、子供の熱が出て、急遽どうしても会社へ行けなくなったら、その場でリモートに切り替えられるルールがあります。それに対応した結果、リモートでできる環境が整うなど、副産物がすごく多いです。男性のパパ社員も使ったりと、みんな助かるんですよね。

未婚の女性にとっても「うちで大丈夫だな」って思ってもらえるでしょうし、そういうのに惹かれて来てくれますからね。そういった対応ひとつひとつから会社と経営者のスタンスがすごく伝わるので、一番メッセージ性が高いと思っています。

―女性の活躍推進という国家レベルのテーマを掲げて、着実に成果を上げている株式会社LiB。その心意気にふれることができました。貴重なお話をありがとうございました!