リファラル採用のインセンティブとは?

何かしらの目標を達成するための「刺激」となる施策のことをインセンティブといいます。

リファラル採用の場合は、「紹介経由での内定」「紹介(声かけ)の数」等に対して、何かしらの表彰、報奨金、景品等を用意するケースが多いです。

リファラル採用といえばインセンティブ(報酬)、というくらい連想する人は多いと思います。
一方で、インセンティブをどのように決めれば良いかを明確にイメージできている人は少ないのではないでしょうか。

どのように決めていくのが良いか、基本的な考え方のプロセスをお伝えしたいと思います。

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リファラル採用の報酬相場

正社員採用の場合は10〜30万円、非正規採用の場合は5000円〜1万円がボリュームゾーンと言われています。
紹介者と応募者への支給額の割合としては、紹介者:応募者=2:1程度です。

なお、当社が取得したインセンティブに関するアンケート結果によりますと、約35%の企業ではインセンティブ設計がない、あるいは0円の設定をしており、逆に10万円以上の設定を行なっている企業も25%あります。 190806 image02

インセンティブって違法?合法?

職業安定法の第四〇条には、下記の通りの記載があります。

(報酬の供与の禁止)
第四〇条 労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

詳しく見たい方はさらに調べてみると面白いかもしれませんが、結論としては、

__『労働者の募集にあたり報酬を与えることは原則禁止ですが、賃金・給与として支払う場合は例外として認められている』__ということです。

本来、人材紹介を行うためには資格が必要なので、それを有していない方が紹介をして報酬を受け取ってしまうと違法となってしまいます。
「紹介そのものに対する報酬」ではいけませんが、「業務の中の一要素に対する評価」として賃金・給与を支払うのであれば合法という判断になります。
細かい違いになりますが、基本的にはインセンティブが違法と判断されるケースにはなりにくいでしょう。

ただ、給与明細への記載をどうするのか等は法務担当によるチェックを通すべき事項と言えます。

インセンティブの決め方

実際にはどうやってインセンティブの制度を決めたら良いか、4つのステップに分けて決め方を解説します。

どこの数値を伸ばしたいか?

まず最初に、そもそもどこの数値を伸ばしたいかを考える必要があります。

「採用数に決まってるでしょ」という声が聞こえて来そうですが、果たして本当にそうでしょうか?

実際に採用まわりのプロセスを考えた時、簡単に考えただけでも「社員が友人に声をかける数」「イベント等に参加する数」「応募数」「内定数」「採用数」「定着した数」などの数値が出て来ます。

「人はとれるけど離職率を改善したい」となれば、「入社後●ヵ月経過したらインセンティブを出す」という設計も考えられますし、「そもそも応募が全く来ていない」となれば、「1応募に対して●円のインセンティブ」とすることも考えられます。

ここは、リファラル採用をするにあたってどこがボトルネックになっているかを確認し、うまくいっていない要素があればピンポイントで改善をすることも想定して考えるのが良いでしょう。

評価単位をどうするか?

インセンティブというと個人に与えるイメージが強いかもしれませんが、そうすると個々人によりやる気がバラバラになりがちです。

一部の人が頑張ってくれても、全社としてはなかなかリファラルが増えなかったり、その人の人脈が尽きてしまったらその後に続かなかったり、というリスクもあります。

おすすめはチーム単位で目標を作るということです。

横でのコミュニケーションが活発になり、協力してくれる人が増えたり、活発に動いている人のノウハウが共有されるケースもあります。

「紹介したいとは思ってるけどどうしたらいいか分からない」という人はとても多いので、そこに対するフォローがされると全社的に数字が上向いてきます。

非常に効果的な手段なのでチーム単位でできると良いですが、社風によっては難しいということもあると思います。実情と照らし合わせて可否をご検討いただくと良いでしょう。

インセンティブを与える対象をどうするか?

インセンティブは紹介をしてくれた人に与えるのが普通ですが、紹介された人に対しても与えることが効果的です。

これは紹介された人のメリットというよりも、紹介する人の心理的なハードルを下げることが目的で作られることが多くなっています。

ちょうど転職を考えている友人がいれば「うちの会社に興味ない?」と簡単に聞けますが、そういったわかりやすい転職顕在層だけを対象とすると、なかなか母集団形成もできません。

「必ず転職したいと思ってるわけではないけど…」という準転職顕在層にもアプローチができると、候補になる人がぐっと増えます。

ただ、自分から仕事探しをしていない人に声をかけるのはハードルが高くなりがちです。

会社や紹介者にとってはメリットのあるリファラル制度も、被紹介者に対してのメリットは目に見えにくく言語化しにくいので、「いきなり誘っても迷惑だよな…」となってしまいます。

そこで、被紹介者にもメリットがある制度を作ることができれば、「うちって●●っていう制度があってさ」と、制度そのものをフックに紹介する話題をふりやすくなります。

例えばですが、飲食店の会社がリファラル採用を行う際に「説明会に来てくれたら●●の無料券がプレゼントされるらしいよ」といった報酬があれば、かなり声がけしやすくなります。

このような効果を期待し、被紹介者へのインセンティブも一考の余地があります。

報酬をどうするか?

まず前提として、インセンティブは高ければ高いほど良いというわけではありません。

上記でも少し触れましたが、リファラルは友人・知人への声のかけやすさが大事になります。

そこで大きな報酬を用意してしまうと、逆に「お金がほしくて声をかけたとは思われたくないな…」となってしまうこともあります。

また、実際にお金を目的に人集めをされても、入社してから活躍・定着しない等の問題に悩まされる可能性もあります。

報酬の額は会社の雰囲気や社員の期待次第ですが、「スキルのある人のキャリア採用」「新卒・第二新卒の採用」「非正規の採用」などでも考え方が変わります。

報酬金が高くても効果は薄い

1万よりは10万、10万よりは30万支給の方が効果が出るのではないか。
そう考える方が多いかもしれません。

実際、当社のユーザー様でも、Refcomeを導入以前に思うように成果が出ないためインセンティブ金額を倍にしたというケースも少なくありません。

しかしながら、__インセンティブ金額を上げて成果につながった、というお話はほとんど聞いたことがない__というのが、実例ベースでの結果になります。

社風にもよるかとは思いますが、当社のユーザー企業様では、「報奨金目的で紹介したと友人や同僚に思われるのが嫌」「支給額が高いと、プレッシャーがかかる」という現場の声が多い印象です。

逆に、「インセンティブ目的での紹介が増えてしまい、面接通過率が半分になってしまった」といったこともあったそうです。

インセンティブは「素敵な仲間を集めてきてくれたことに対する会社からの”お礼”」ですので、支給額よりも、メッセージ性を意識することをRefcomeでは推奨しています。

報奨金以外のインセンティブ、他社事例は?

インセンティブを「素敵な仲間を集めてきてくれたことに対する会社からの”お礼”」と捉え、報奨金以外の形で用意している事例をご紹介いたします。

全社会議での表彰

200名規模の中途採用では、週に1度の全社朝礼で社長様から表彰していたり、数千〜数万人規模のアルバイト採用でも、年1の全社会で店舗売上上位者と同等に、リファラルが盛んだった店舗やスタッフを表彰しているケースが多数あります。

社長や、役員とのランチ

100名規模の新卒採用では、紹介成績上位者に、社長や役員クラスとのランチの機会を提供している事例があります。

紹介者/応募者の会食

100~500名規模の中途採用では、紹介者/応募者とのランチ費用補助を行っています。採用につながった場合だけではなく、不採用だった際にも、きちんとコミュニケーションが取れるよう、補助を出している企業様もいらっしゃいます。

自社(または自社グループ)のお買い物券

自社のサービスについて、あたらめて知って欲しい。お友達と、気軽に食事やお買い物を楽しんで自社を知るきっかけを持ってみて欲しい、という想いを込めて、お買い物券やお食事券を提供している事例も複数あります。

終わりに

ここまで、インセンティブに関する基本的な考え方をお伝えしてきました。

インセンティブはあくまでも、素敵な仲間を連れてきてくれたことに対する会社からのお礼です
どんな形だったらお礼の気持ちが1番伝わりそうか、ぜひ考えてみてください

具体的に相談してみたい場合は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。