第1回受賞企業インタビュー
株式会社サイバーエージェント

『リファラル採用応募を300件以上獲得』全社で企業拡大にコミットする企業文化とは

当インタビューでは、「社員にとって紹介したい会社作り」「本質的な採用における取り組み」を積極的に行う企業様を表彰対象とした「Referral Recruiting AWARD 2017」の受賞企業様への取り組みをお聞きするシリーズです。

インターネットテレビ局「AbemaTV」の運営やインターネット広告事業を展開する株式会社サイバーエージェント。サイバーエージェントはRefcome導入をきっかけに、部署の垣根を越えたリファラル採用を行うなど、あらゆる先進的な人事制度に取り組まれている企業です。今回のインタビューでは、採用育成本部キャリア担当・桑田様からリフカムを導入した理由やその効果、そして今後の展開について伺いました。

部署の壁を超えた「全社を巻き込んだリファラル採用」の実施

___御社ではRefcome導入前からリファラル採用を行なっていたんですよね。

はい、そうですね。ただ部署ごとには行なっていましたが、会社全体でという発想では行なっていなかったですね。各部署に人事担当がいるので、部署内で紹介が完結してて。そこにリフカムさんが現れて、あらためてリファラル採用について教えてもらったことで意識が変わりました。

___具体的にどう変わったんでしょうか?

これから労働人口が減っていく中で、事業を大きくしていこうと思ったら量よりも質が大切なんじゃないかと思ったんです。大量採用よりも、長く一緒に働いてもらう方が重要だよねと。そうすると、社員紹介は絶対必要になってくる。なおかつ機会損失を防ぐために全体でできないかと考えていたところに、ちょうどRefcomeのサービスが出てきたって感じです。

___「機会損失」というのは?

せっかく紹介してくれたのに、1つの部署で採用が見送りになってしまうとか、もったいないことが起きてて。けど、全体でやってみたら「A部署ではニーズが合わなかったのに、B部署では内定がもらえた」ということがあったので。全体でやるというのは大きかったですよね。

ただ、それまでも退職率は悪くなかったんですよ。他の手法よりはリファラル採用のほうが良いという感覚もありましたし。特に弊社はカルチャーマッチを重んじているので、知り合いなら同じようなカルチャーや思想をもっているだろうという考えもあって、昔から社員紹介はやっていたんです。

___確かに御社はカルチャーを大事にしている印象があります。それを言語化したものや、面接で見極める項目はあるんでしょうか。

具体的にはあんまりないんですよ。フィットするかしないかは面接官によっても違うので。言語化できればいいんですけど、よくわからないので、人材紹介を行っていく人材エージェントさんには「うちの会社を見ていってください」と言ってました。

___面接で色んな人を見ていると「この人、的外れだな」と思うこともありますか?

的外れというか、残念だなと思うことはよくあります。よく「会社のために貢献できます」って言う子がいるんですけど、それよりも「どうしたら自分が将来の理想像に近づけるか」を考えられる人と一緒にやりたいんですよね。「その夢いいね」と、こちらがワクワクするような。働くのって苦痛だけど、その中で楽しさを見出さないといけないし。僕らの選考にもつながってくるんですけど、「どんな夢を持ってるか」という部分はすごく大事だと思うんです。働く軸がないと面白くないですから。

___将来の夢を聞いてくれる人事は少ないと思いますが、それは御社のポリシーなんでしょうか。それとも個人のお考えですか?

どちらもですかね。だから弊社の人事担当をしてるのが面白いんだと思います。僕自身が入社したのも、それを聞いてくれて、その上で適材適所を用意してくれたのが大きかったかもしれないです。

自分たちで会社を大きくする」という意識が高まった

___リファラル採用を部署ごとではなく全社でやるとなった時、実際にどう動かしていったんですか?

まずは認知されることが大切なので、最初は「リファラル採用をはじめました」メールを様々な表現で送りました。「こういうこと始めますよ」からスタートして、次は質を高めるために「この部署はこういう人を募集してますよ」と。あとは実際の紹介の成功事例ですね。でも件名だけはほとんど変えなかったです。「あのメールが来てる」って意識してもらわないといけないので。内容はかなり精査しましたけどね。

___交渉も大変だったのでは?

大変でした。「横の部署に奪われるんじゃないか」ってなりますし。なので、A部署の社員に紹介してもらったらまずはA部署につなぎ合わせるとか、うまく運用できる体制を整えて納得してもらって。

___1部署の人事としては難しいことがそこではできたんですね。

そうですね。私自身が部署横断で採用を行うというポジションだからこそできたんだと思います。目線が部署になると、どうしても「部署でどう貢献していくか」という視点になってしまうので。そういう意味では、横軸の組織っていうのがスタートしやすい環境だったっってことですかね。やりたいことは、ずっと思ってたら叶うんだなと思いました。

___リフカムを導入して良かったことってありますか?

社員全体の視点を上げられたことですかね。この部署がこれだけ求人を出してるということは今これだけ盛り上がってるんだ、という経営目線を養えたのが良かったです。あとは「自分たちで会社を大きくするんだ」という意識が高まったのも、Refcomeを導入してから一番強く感じる部分ですね。

___「視点を上げる」という話だと、AbemaTV立ち上げ時の求人情報も印象に残っています。藤田社長が動画事業に力を入れていくというブログで発信したこともあって、「これは頑張り時だ」「人集めに貢献できる」という全社での盛り上がりがありましたよね。

それも事例の1つですね。あの時はリファラル経由のエントリーだけで200〜300人くらい来て約40名の採用につながりました。切実に必要なポジションだったのもありますけど、経営のメッセージと募集内容がリンクしていたのが成功要因だったと思います。

あとは、実際にエントリー数が伸びているという右肩上がりの棒グラフをメールで配信したのも効いたんですかね。「誰経由でどんな人が内定決まりました」という御礼メールを送ったり、感謝を表すことで社員のモチベーションも上がるので。それで言うと、今後はそういう数字をもっと可視化していけたらと思ってます。誰がどこ経由で採用されたのか、すぐわかるような。

柔軟性がある組織だからこそリファラル採用が成功した

___御社でリファラル採用がうまくいった要因は何だと思いますか?

まず、社員が良い人ばっかりなんですよね。僕が現場にいた時も、困った時があったら時間を作ってくれたり。そういう体制が弊社全体にあるので、新しい取り組みにも協力的ですし、柔軟性がある組織だからこそうまくいったんだと思います。

___リファラル採用自体が「友達に紹介したい会社」っていうのが前提ですもんね。

そうですね。あとは、挑戦しがいがある会社というのも大きいと思います。選考でも「夢があるか」という部分を基準にしているし、自然とそういうカルチャーが作られたんでしょうね。「一緒に作っていきましょう」という姿勢の会社であれば、リファラル採用はうまくいくのかなと。

___今、リファラル採用はどれぐらいの割合なんですか?

2年前まではエージェント経由の採用が9割だったんですけど、今はダイレクトとリファラルが6割くらいになってます。「皆でやろう」ってなると素直に受け止めてくれる組織なので。

___1割から6割はすごいですね!その中でも、ハードルが高かったことはありますか?

まだ全社での導入には至ってないんですよね。正直なところ、中には「なぜ他の事を手伝わなきゃいけないのか」という人もいるでしょうし。ただ、成功事例がもっと出てくれば納得してくれると思うので、まずはこちらがその材料を用意しないといけない。数年はかかると思うけど、全社での導入が最終的な目標ですね。

___事例を増やしていけばいつかはってことですよね。ちなみに、リファラル採用された人の退職率はどれくらいなんでしょうか。

低いですよ。数字は言えないけど、他の採用手法の半分以下です。友人からの紹介なので入社前にリアルな会社の状況が把握できるし、そもそも同じような思想を持ってるっていうのは大きいですよね。施策を始めてからのエントリー数も300以上、採用も約40人がつながっています。月次で5名くらい採用することもあります。

___紹介でそれだけ採用できるのはすごいですね。最後に、今後やりたいことについてお聞かせください。

今後はデータを蓄積して、どんな人が採用に至ったのか、活躍しているのかを分析したいです。あとは、例えば10人以上紹介してくれた人にカードを渡すとか、ロイヤリティーを高めたいと思っています。「あのカードを持ってたらすごい」というカルチャーが作られていけばいいかな。その流れと経営視点が合致したメッセージを発信したり、統合的なことはやっていきたいですね。

___社内後方と経営視点を合わせて展開していけば、事例も増えて全社的に広がって行きそうですよね。 本日は貴重なお話、ありがとうございました。