リファラル採用に成功した企業18社一覧【比較表】
まずは全18社を俯瞰してみましょう。自社に近い業界・採用区分の事例から読むのがおすすめです。
# | 企業名 | 業界 | 採用区分 | 主な成果 |
|---|---|---|---|---|
① | セールスフォース・ドットコム | IT | 中途 | 年間採用人数の約半数をリファラル経由で実現 |
② | freee | IT | 中途 | 他チャネルを上回る内定率/創業来のリファラル文化を維持 |
③ | SmartHR | IT | 中途 | 従業員の約30%がリファラル採用/応募の内定率は他チャネルの10倍以上 |
④ | ファインディ | IT | 中途 | 内定承諾数が昨対比2倍以上/タレントプール600名以上を形成 |
⑤ | Hajimari | IT | 中途・新卒 | タレントプール200件以上/半年で面談35件を獲得 |
⑥ | SB C&S | IT | 中途 | 社員紹介経由の定着率約90%/応募数が飛躍的に増加 |
⑦ | KDDIアジャイル開発センター | IT | 中途 | 「推薦ではなくきっかけ」で紹介の心理的ハードルを低減 |
⑧ | ビズリーチ | 人材 | 中途 | 全採用経路のうちリファラルが最多(約4割)/社内の約4割がリクルーター |
⑨ | レバレジーズ | 人材 | 中途 | 現場巻き込みでリファラル経由採用が昨対比約160%の見込み |
⑩ | 薬王堂 | 小売 | アルバイト・登録販売者 | 求人媒体では届かない転職潜在層へのアプローチに成功 |
⑪ | コスモ石油販売 | エネルギー | アルバイト・社員登用 | アプリ利用率98%/アルバイトからの社員登用で定着率が向上 |
⑫ | LE.O.VE | 訪問看護 | 中途 | 半年でスカウト200件以上・応募100名近く/入職者の定着率100% |
⑬ | 串カツ田中HD | 飲食 | 中途 | 採用コストを削減/離職率が30%超から劇的に低下 |
⑭ | すかいらーくHD | 飲食 | アルバイト | 約7,000名をリファラル経由で採用/定着率の向上 |
⑮ | glob | 飲食 | アルバイト | 毎月平均80件以上の紹介が発生/数ヶ月で100名以上を採用 |
⑯ | 荏原製作所 | メーカー | 新卒・第二新卒 | 専門性の高い若手中途人材の紹介・入社を実現 |
⑰ | オムロン | メーカー | 中途 | 社員紹介の導線を確立し、機会損失を解消 |
⑱ | 三菱電機ビルソリューションズ | メーカー・インフラ | 中途 | 全社1.3万人へ展開/導入4ヶ月で入社19名・内定承諾率90% |
【業界別】リファラル採用の成功事例18選
各事例は「注力した背景 → 推進施策 → 得られた成果」の3点で整理しています。
IT業界の事例
事例① セールスフォース・ドットコム(中途採用)
企業概要:クラウド型CRM大手。グローバルで成長を続けるIT企業。
背景:制度自体は早くからあったが、採用はエージェント経由が中心。事業成長に必要な採用数の確保と社員定着のため、リファラル採用への注力が必須と考えた。
推進施策:採用部門から社内コミュニケーションツールで募集ポジションを告知。経営層からも社内へ周知し、紹介社員に旅行券を贈るキャンペーンも実施。
成果:リファラル経由の採用増加により離職率が低下し、社員一人ひとりの生産性も向上。現在は年間採用人数の約半数をリファラル経由で採用している。
事例② freee(中途採用)
企業概要:バックオフィス向けクラウドサービスを展開するIT企業。
背景:創業時から「自分たちのメンバーは自分たちで集めたい」という想いが代表含め社員全員にあった。
推進施策:社員に数字を追わせるのではなく、紹介してくれた社員を表彰。リファラル採用の良い影響を社員が理解し、自発的に動く状態を意識した。
成果:面接後の内定率が他チャネルと明確に異なる。自社を最もよく知る社員が「合うと思う」と紹介する候補者は、マッチ度が非常に高い。
事例③ SmartHR(中途採用)
企業概要:人事・労務クラウドを提供するIT企業。
背景:社員16名の頃にアンケートで「会社に知人を紹介したいか」を調査したところ全員が「紹介したい」と回答。採用担当だけが動く労働集約型ではない手法として早期導入を決めた。
推進施策:「紹介した友人が選考で落ちたら気まずい」という不安の声に対し、不採用時に会社負担で会食に招待できる『ごめんねごはん制度』を新設。紹介者・候補者双方の心理的負荷を下げ、社員が誘いやすい状態をつくった。
成果:リファラル経由の応募は他チャネルの10倍以上の内定率。従業員の約30%がリファラル採用となっている。
事例④ ファインディ(中途採用)
企業概要:エンジニア向け転職・組織支援サービスを展開するIT企業。
背景:組織が100名を超える見込みとなり、組織活性化の戦略テーマとしてリファラル採用が浮上。採用目標増を見据え、加速を決断した。
推進施策:週次の社員インタビュー記事公開や全社定例での進捗共有など、量と質の両面で広報施策を展開。あわせて Refcome Teams をインフラに、人脈想起ワークショップを定期開催し、フォローアップまで設計したタレントプール運用を構築。
成果:KGIの内定承諾数が昨対比2倍以上、毎月リファラル経由の決定が出る状態に。リファラルでしか接点を持てなかった経営レイヤーの採用にも成功し、タレントプールは600名以上(取り組み開始前は0名)。
事例⑤ Hajimari(中途・新卒採用)
企業概要:IT人材事業・自社サービスを展開する企業。
背景:リファラル採用は定着率が高く、戦力化・文化継承がしやすいと実感。新卒・中途とも採用目標が増え、採用コストの増大リスクを抑える必要があった。
推進施策:Refcome を全社員共通のツールとして導入し、「採用は人事がやるもの」から「みんなで採用しよう」へ意識を転換。いきなり面談に呼ぶのではなく、タレントプール作りからスタートして紹介のハードルを下げた。
成果:年数件だった紹介から、Refcome Teams に200件以上のタレントプールが登録。半年で35件の面談を獲得した。
事例⑥ SB C&S(中途採用)
企業概要:ICT流通を中心とする大手IT企業。
背景:長年続けた「社員紹介キャンペーン」は全社周知に至らず成果も頭打ち。一方、社員紹介経由の入社者は定着率約90%と高く、中長期の採用戦略として推進・活性化が効率的だと判断した。
推進施策:専用アプリ「Refcome」を導入し、中途入社者のオリエンテーションでも周知とダウンロードを案内。紹介カード配布、報奨金フローの見直し、会食制度の新設、社内報での発信などを多面的に実施。
成果:応募数が飛躍的に増加。「社員紹介」の文化醸成が進み、例年対比で大幅な紹介数増を達成した。
事例⑦ KDDIアジャイル開発センター(中途採用)
企業概要:KDDIグループのDXを牽引する戦略子会社(2022年設立)。アジャイル開発を軸にスピーディーな事業展開を行う。
背景:設立当初の1〜2年は社員が自発的にリファラルで仲間を集めていたが、組織拡大に伴い制度の形骸化が懸念
される局面に。立ち上がったのは、自身もリファラルで入社した人事担当者だった。
推進施策:最初の一歩を踏み出すきっかけをつくり、紹介への心理的ハードルを下げることに注力。社内アンケートで課題を抽出し、note記事での事例発信や丁寧な周知を実施。新卒採用やアルムナイ採用にも活用範囲を広げた。
成果:多角的な接点を通じて、社内外に自社の魅力を深く浸透。エンジニア採用の新たなチャネルとして定着し、『Referral Recruiting Award 2025』ベンチャー部門を受賞した。
人材業界の事例
事例⑧ ビズリーチ(中途採用)
企業概要:HR領域を中心に複数事業を展開する人材系企業。
背景:創業時からリファラル採用を実施。「待ちの採用ではなく攻めの採用」を世の中に提唱する立場として、自社で体現し続けたいという想いが常にある。
推進施策:会社拡大でリファラルが鈍化した時期に、有志メンバーが「リクルーティングプロジェクト(リクプロ)」を立ち上げ。社員をチームに分け、3ヶ月でチームごとに1名の入社意思決定を目指す。現在は立候補制で、社内の約4割がリクルーターとして参加。
成果:複数ある採用経路の中でリファラル経由の入社が最多(約4割)を占める。
事例⑨ レバレジーズ(中途採用)
企業概要:HR・Webメディア・M&Aコンサルティングなど、社会課題の解決を軸に60以上の事業を展開する人材系企業。
背景:「リファラル採用制度は認知されているが、採用には繋がっていない」という停滞期にあった。打破のきっかけは、元営業エースの人事による徹底的な「現場巻き込み」だった。
推進施策:事業部ごとにリファラル推進担当を設置し、特性に応じた採用の意義・事例の発信や表彰を実施。協力してくれそうな社員をピックアップし、個別に1on1を重ねて能動的なリファラルを促した。
成果:「知人から相談されたら紹介する」という受動的なリファラルから、「この人は合うかも」と社員が能動的に動く状態へ変化。リファラル経由の採用は昨対比約160%の着地が見込まれている。『Referral Recruiting Award 2025』エンタープライズ部門を受賞。
小売業界の事例
事例⑩ 薬王堂(アルバイト・登録販売者採用)
企業概要:東北地盤のドラッグストアチェーン。
背景:実際に職探しの行動を起こす人は転職希望者全体の約10%程度という点に着目。登録販売者の採用課題に対し、「転職したいが行動に移していない潜在層」へは求人媒体より身内・友人からの紹介が有効だと考えた。
推進施策:エリア店舗に責任を持つメンバー20名にまず説明し、責任者→チーフ→現場へと段階的に浸透。徹底した上意下達ではなく、問題意識のあるメンバーから自然に広がることを期待して、複数回にわたり説明を重ねた。
成果:パート・アルバイトに加え登録販売者の採用にも成功。競合からの入社者や資格が休眠状態だった人材など、狙っていた「転職潜在層」へのアプローチを実感できた。
エネルギー業界の事例
事例⑪ コスモ石油販売(アルバイト・社員登用)
企業概要:コスモ石油マーケティングの子会社として、日本全国でサービスステーション(SS)の運営を中心にエネルギー関連事業を展開。
背景:京阪神カンパニーでは「入社後にギャップを感じて退職する人が一定数いた」ため、外部採用だけでなく
内部に眠る優秀な人材を活かしたいと考えた。西関東カンパニーでは離職率が大きな課題だった。すでに業務内容や社風を理解しているアルバイトスタッフを社員登用すれば、早期離職リスクを大幅に減らせると判断した。
推進施策:リファラル採用アプリの利用率98%を基盤に、社内報での情報発信、店舗でのポスター掲示など、現場に根付いた取り組みを展開。Refcomeの社内応募機能を活用し、アルバイトから社員への登用を強化した。
成果:京阪神カンパニーでは社員登用エントリーが10名以上、うち7名を採用し、全員が1年以上継続勤務。西関東カンパニーでもアルバイト紹介18名・社員登用2名を実現し、離職率の減少につながった。『Referral Recruiting Award 2024』エンタープライズ部門を受賞。
訪問看護業界の事例
事例⑫ LE.O.VE(中途採用)
企業概要:訪問看護サービスを展開する企業。
背景:紹介会社中心の採用は採用コストが高い。社員が会社説明をすることで低コスト・高定着のリファラル採用に着目した。
推進施策:現場で積極的に動いてくれるスタッフを「最強の協力者」として巻き込み、現場目線で施策を設計。現場スタッフからの声かけで全体に浸透させ、人事起点で始まった取り組みを文化として根付かせた。
成果:半年でスカウト200件以上・応募者100名近く、内定も発生。リファラル経由入職者の定着率は100%。
飲食業界の事例
事例⑬ 串カツ田中ホールディングス(中途採用)
企業概要:串カツ業態を中心とする外食チェーン。
背景:求人広告だけでは目標に届かず人材紹介会社の活用を拡大した結果、採用コストが約2倍に高騰し、離職率が17%前後から37%前後まで上昇。対策を模索する中で他社からリファラル採用を勧められた。
推進施策:経営を含めた全社で推進。全社会議で方針を共有し、社長が採用コストや離職率の現状をオープンに開示。社員が友人を紹介しやすいよう福利厚生の見直しなど環境づくりも進めた。
成果:人材紹介経由で1件あたり100万円近くかかっていた採用費を抑制。離職率も劇的に低下した。
事例⑭ すかいらーくホールディングス(アルバイト採用)
企業概要:ファミリーレストランを中心に全国展開する外食大手。社員約6,000名、クルー(アルバイト)10万人超。
背景:労働人口の減少と求人掲載数の増加により、従来の採用手法では応募効果が低下。「採用のあり方そのものを変える必要がある」という危機感からリファラル採用を導入した。
推進施策:入社者・紹介者双方にオンライン優待券5,000円分(採用後20時間勤務が条件)を付与。約3,000名が集う合同マネジャー会議で社長がトップメッセージを発信し、「友人紹介」優秀マネジャーを表彰。社内報でも継続的に事例を発信した。
成果:毎年5万人規模の採用が必要な中、現在は約7,000名をリファラル経由で採用。導入から数年で、定着率の良さなどのメリットも明らかになった。
事例⑮ glob(アルバイト採用)
企業概要:青山商事の連結子会社。「焼肉きんぐ」「ゆず庵」を主軸とするフードサービス事業のほか、フィットネス・リユース事業を全国展開。
背景:1店舗あたり50〜70人規模の従業員を抱える業態で、採用必要数が非常に多い。有料求人媒体だけでは応募が集まらず、コストもかさんでいた。
推進施策:最初に取り組んだのは「意識改革」。店長を一カ所に集めて研修を行い、リファラル採用の意味や導入背景を共有。入社する従業員全員にRefcomeアプリのインストールを徹底し、現場での日常的な教育を続けた。リファラル採用比率やアプリのダウンロード率を全店舗で周知し、組織全体の参加を促した。
成果:毎月平均80件以上の紹介が発生し、年間採用者数の25%程度をリファラルで確保することを目標に運用。数ヶ月で100名以上のアルバイト採用をリファラル経由で実現した。『Referral Recruiting Award 2023』エンタープライズ部門を受賞。
メーカー業界の事例
事例⑯ 荏原製作所(新卒・第二新卒採用)
企業概要:100年以上の歴史を持つ重工業メーカー。技術系の専門人材を多く必要とする。
背景:若手世代の働き手が減る中、エージェントやナビサイトだけでは採用が厳しい。あわせて「紹介が起きるかどうか」で会社の“今の状態”を把握したいという狙いもあった。
推進施策:いきなり全社を巻き込まず、まず友人とキャリアを話す機会の多い若手から着手。内定者〜入社5年目までの新卒社員約400名にリファラルアンケートを実施し、協力的・中立的・非協力的な層を可視化。希望者中心に説明を行い、対象を10年目まで・中途2年目までへと段階的に拡大した。
成果:アンケートで推進メンバーの発見と社員のリアルな意見収集を実現。効果的な周知により、難しいと考えていた専門性の高い若手中途人材の紹介・入社につながった。
事例⑰ オムロン(中途採用)
企業概要:制御機器・ヘルスケアなどを手がける電機メーカー。
背景:キャリア採用のエージェント依存が高く、このままでは将来的に採用が困難になると判断。広義のダイレクトリクルーティング強化の一環として、潜在層にも直接アプローチできるリファラル採用の制度導入に着手した。
推進施策:サイネージ展開と説明会を1年間毎月継続。希望者へのリファラルカード配布、地方事業所へのポスター掲示、カフェなど人が集まる場所へのQRコードPOP設置など、事業所と連携した施策を展開。
成果:社員紹介の導線が確立されたこと自体が大きな成果。従来は紹介プロセスが不明確で人事への直接相談が多く機会損失もあったが、手順が明確になり全社で共通認識を持てるようになった。
事例⑱ 三菱電機ビルソリューションズ(中途採用)
企業概要:エレベーター・エスカレーターなどビル設備の製造から施工・メンテナンスまでを一貫して手がける企業。全国280拠点、社員数約1万3,000人。
背景:少子化で理工系学生・工業高校生が減少する中、エンジニアによるメンテナンス事業が売上に直結する経営課題に。各支社が以前から草の根的に行っていたリファラル活動を、全社的な新しい採用の柱として制度化・再構築することにした。
推進施策:2024年11月に正式導入。事前に紹介カードを全国280事業所へ送付し、イントラに専用サイトと解説動画を開設、全社員1.3万人へお知らせメールを一斉配信。2ヶ月目に紙の社内報、3〜4ヶ月目に入社者インタビュー記事を展開し、報奨金制度も規程化。「主人公は社員」を掲げ、紹介までの障壁を極力取り除く“シンプルさ”を追求した。
成果:導入から4ヶ月で、知人からの連絡135名、カジュアル面談110名、内定21名、入社決定19名。専用サイトは約11,000PVと高い関心を集め、内定承諾率は90%。元社員からの応募もあり、アルムナイ採用的な効果も出ている。『Referral Recruiting Award 2024』エンタープライズ部門を受賞。
成功事例から見えた共通点|成功企業に共通する5つのポイント
18社の事例を横断すると、業界・規模・採用区分を問わず、成功企業には共通する「型」があります。
1. 経営層が旗を振っている
セールスフォース、串カツ田中、すかいらーくでは、経営層・社長自らが社内へメッセージを発信しています。串カツ田中は社長が採用コストや離職率の実数までオープンに共有しました。三菱電機ビルソリューションズも、本社主導で全社員1.3万人へ一斉に導入を周知しています。リファラル採用は「人事の施策」ではなく「全社の取り組み」であり、経営の本気度が社員の動きを左右します。
2. 「いきなり紹介依頼」ではなく、タレントプールから始める
ファインディとHajimariに共通するのが、カジュアル面談やイベントへの誘いではなく、まず「いつか紹介したい友人」をリスト化するタレントプール作りから始めるアプローチです。Hajimariは「紹介のハードルが格段に下がった」と語り、ファインディは600名以上のプールを形成しました。心理的ハードルの低い入り口を設計することが、継続的な紹介につながります。
3. 紹介者をフォローする制度・カルチャーがある
SmartHRの『ごめんねごはん制度』(不採用時に会社負担で会食招待)が象徴的です。「紹介した友人が落ちたら気まずい」という不安は、リファラル採用最大の心理的障壁の一つ。SB C&Sの会食制度、KDDIアジャイル開発センターの「"推薦"ではなく"きっかけ"」というメッセージのように、紹介者の心理的負担を会社が軽くする仕組みが、社員の「誘いやすさ」を支えます。
4. 現場を巻き込み、一部の協力者から全社へ広げる
LE.O.VEは現場スタッフを「最強の協力者」として巻き込み、薬王堂は問題意識のあるメンバーから自然に浸透させました。レバレジーズは協力してくれそうな社員と個別に1on1を重ね、荏原製作所は若手から段階的に対象を広げています。最初から全社一斉ではなく、動いてくれる人を起点に広げるのが定着のコツです。
5. 量と質の両面で、社内広報を継続している
ファインディの週次インタビュー記事、SB C&Sやすかいらーくの社内報発信、オムロンの1年間毎月の説明会・サイネージ、三菱電機ビルソリューションズの専用サイト+社内報+入社者インタビュー。成功企業は例外なく、リファラル採用を「社内で語り続けて」います。一度の説明会で終わらせず、継続的な情報発信で「自分ごと化」を促すことが、フェードアウトを防ぎます。
リファラル採用でよくある失敗パターンと対策
成功事例の裏側には、多くの企業が共通してつまずくポイントがあります。代表的な4つの失敗パターンと対策を整理します。
失敗1:インセンティブ頼みで、一過性に終わる
報奨金やキャンペーンだけで紹介を促そうとすると、施策が止まった瞬間に紹介もゼロに戻ります。
対策:インセンティブは「きっかけ」と割り切り、紹介が自然に生まれる仕組み(タレントプール、社内広報、紹介後のフォロー)とセットで設計する。freeeのように「数字を追わせず、表彰で良い影響を実感してもらう」設計も有効です。
失敗2:人事だけが動き、現場が動かない
「採用は人事の仕事」という空気のまま制度だけ作っても、現場社員は動きません。
対策:経営層からの発信で「全社の取り組み」と位置づけ、現場の協力者を起点に巻き込む。Hajimariの「みんなで採用しよう」、レバレジーズの事業部別推進担当と個別1on1が参考になります。
失敗3:紹介の手順が面倒・不明確で、機会損失が起きる
「紹介したい人がいても、どう連絡すればいいか分からない」状態は、見えない機会損失を生みます。オムロンも導入前はこの課題を抱えていました。
対策:紹介から選考までの導線をツールで一本化し、「社員紹介はこの方法でできる」という共通認識をつくる。三菱電機ビルソリューションズが「紹介までの障壁を極力取り除く」ことに注力したように、手順のシンプルさが紹介数を左右します。
失敗4:立ち上げ後にフェードアウトする
キックオフ時は盛り上がっても、数ヶ月後には誰も動かなくなる――最も多い失敗です。KDDIアジャイル開発センターも、組織拡大に伴う「制度の形骸化」への危機感が再整備のきっかけでした。
対策:社内広報を「単発」ではなく「継続」の運用に組み込む。全社定例での進捗共有、社内報、インタビュー記事など、リファラル採用を社内で語り続ける仕組みを持つ。あわせて、KPIとPDCAを回す担当・体制を明確にしておくことが重要です。
自社でリファラル採用を成功させるための進め方チェックリスト
事例と共通点をふまえ、立ち上げ時に押さえるべきポイントをまとめます。
☐ 経営層がリファラル採用の意義に合意し、社内発信に協力する体制があるか
☐ 自社の現状(社員のエンゲージメント、制度認知、紹介のハードル)を把握できているか
☐ いきなり紹介依頼ではなく、タレントプール作りから始める設計になっているか
☐ 紹介者・候補者をフォローする制度(会食制度など)やカルチャーがあるか
☐ 現場の協力者を起点に、段階的に全社へ広げる計画があるか
☐ 社内広報を「継続」する運用(社内報、定例共有、インタビュー記事)が組まれているか
☐ 紹介から選考までの導線がシンプルで、社員が迷わず使えるか
☐ KPIとPDCAを回す担当・体制が決まっているか
まとめ
リファラル採用の成功事例を18社、業界別に紹介し、成功企業に共通する5つのポイントとよくある失敗パターンを解説しました。
事例から見えてくるのは、リファラル採用の成否を分けるのはインセンティブの金額ではなく、「経営層の本気度」「タレントプールという入り口設計」「紹介者を守る仕組み」「現場の巻き込み」「継続的な社内広報」という再現性のある型だということです。
裏を返せば、これらが欠けると多くの企業が同じ失敗を繰り返します。成功事例を「すごい他社の話」で終わらせず、自社の進め方に落とし込むことが何より重要です。
Refcomeは、これまで850社以上のリファラル採用を支援し、導入企業のリファラル採用比率は平均20%を達成しています。専属コンサルタントによる伴走支援で、制度設計から社内浸透・運用定着までをサポートします。また、リファラル採用に優れた取り組みを行う企業を表彰する「Referral Recruiting Award」を毎年開催しており、受賞企業の事例は特設サイトで公開しています。
リファラル採用の立ち上げにお困りの方、いまの施策が一過性で終わっていると感じる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

