実績・事例
株式会社 薬王堂

転職潜在層へのアプローチを広げる薬王堂。リファラル採用を会社に浸透させる取り組みとは?

2020.07.16

取締役常務執行役員 経営戦略本部長 西郷 孝一さん
2012年に薬王堂へ入社。営業企画部部長、商品部部長、業務改革部部長、経営企画部 部長を歴任、2019年より執行役員 経営戦略本部長を担当。

株式会社薬王堂は、東北地方においてドラッグストアチェーン「薬王堂」の経営と調剤薬局の経営を行っています。医薬品だけでなく、地域の生活に密着した幅広い商品を取り扱っており、現在は300店舗以上のドラッグストアと調剤薬局を運営しています。
登録販売者の採用を拡充するためにリファラル採用に注力されている同社。
今回は経営戦略本部長 西郷さんにパート・アルバイト社員採用でのリフカム導入について伺いました。

株式会社 薬王堂
業種小売業
所在地岩手県紫波郡矢巾町大字広宮沢第3地割426番地
従業員数社員780名、臨時社員1,998名(8時間換算)(2020年2月末現在)
採用職種アルバイト社員
課題
  • パート・アルバイトの中でも登録販売者の採用に課題あり
  • 転職潜在層へのアプローチを広げたい
効果
  • 想定以上の応募数、採用決定数を獲得できた
  • パート、アルバイトだけでなく登録販売者の採用もできた

採用イベントで得た気づきから、転職潜在層の獲得へ期待を寄せたリファラル採用

−−リファラル採用を始めたのは、どういった背景があったのでしょうか?

リファラル採用に注力した背景はパート・アルバイト社員の採用もそうなのですが、その中でも登録販売者の採用に課題がありました。これまで一年半くらいは、ツナグソリューションズ社とともに試行錯誤してきました。ある程度、登録販売者を採用できるようになってきているのですが、まだまだ採用人数を伸ばしたいと考えていたので、リファラル採用に注力することで、さらに成果を得られるのではないかと期待したことがきっかけです。

私がリファラル採用に期待したポイントは、転職する可能性がある方はもちろんたくさんいらっしゃるのですが、実際にアクションを起こして職探しをされる方は、全体の約10%程度だという数値に注目しました。

「転職はしたいけど行動には移していない方」へアプローチを広げることが採用人数の拡大につながると考えたのですが、そのような方へのアプローチは、やはり求人媒体ではなく、身内や友人などからの紹介という形になるのではないかと考えました。

さらに、社員にいろいろと聞いてみると、社員が誘うのが身内や知り合いとなるので、会社が用意する求人ポスターではなかなか伝えられないことも、信頼できる情報として求職者に伝えることができるということを聞いて、リファラル採用に魅力を感じました。

ここ数年間は、会社のことや仕事内容について求職者へ説明する採用イベントを実施しているのですが、結構申し込みが多いんです。ただ、継続してイベントの回数を重ねることはリソースがかかります。そういった点では、リファラル採用は社員が動いてくれるので、人事のリソース的にも効率が良いのではないかと思いました。

また、もう一つの気づきがリファラル採用の注力を後押ししたのですが、採用イベントを初めて企画する際、私はイベントの成果に対して半信半疑でした。「そんなに応募は発生しないのではないか?そんな綺麗ごとで進まなのではないか。」と正直、思っていました。
しかし、実際にイベントを実施してみると意外と応募が発生しましたし、紹介での応募も少なくありませんでした。そこで私は、「あぁ、薬王堂で働くということがうまく伝わっていないんだな。」とピンと来ました。
そういったことが重なって、リファラル採用も十分に成果を出せる手法なのではないかと期待を寄せました。

問題意識の醸成で浸透を図った、現場への社内告知

−−リフカム導入後の流れを教えてください

まずは、店舗運営部でエリア店舗に責任を持つメンバー20名に説明を行い、上から落として行く形を取りました。ただし、徹底した上意下達を行ったのではなく、問題意識を持ってくれているメンバーから自然と落ちていくことを期待して推進しました。責任者からチーフへと落ち、現場に広まっていく形です。
もちろん、単発の説明ではなく、数回ほど繰り返して説明をしていきました。

また、キックオフを開いた際にリファラル採用で採りたい人数について協議していました。個人的な考えなのですが、リファラル採用を意識して活動する人は全員でなくとも、10%の社員でもいいから、少しでも浸透すればという思いが私にはありました。
まず上から落として、その中でやる気のある人や問題意識のある人が下に落としていくことで十分なのではないかと。私はあまり徹底せずとも、誰かは絶対に関心を持つだろうなと信じていました。

あと、リファラル採用で得られるメリットとして社員に伝えたかったのは、PLです。
店舗を正社員で埋めるということになれば、残業代がコストとして入り、パート社員と正社員ではかかる残業コストが違うので、それだけ店舗の足かせになってしまいます。そういったコストインパクトも伝わればと思っています。

私が薬王堂に入社した時は、薬王堂は業績的に調子が良いというわけではなかったのですが赤字対策のために改善を図っていました。
ただし、実施している内容を聞くと、「売り場を変えます」とか「レイアウトを変えます」とかなんです。加えて「レイアウトを変えて、何%の売り上げが上がるのか?」と問うと、「1%です」と返答されました。
結果、売上全体の1%も上がらないのですが、それはPL上ではほとんど変化がありません。
それでは、赤字が黒字になることは絶対にないのです。

私はPLへの数値意識が重要だと考えていて、人件費に関してはパート社員を採用することができて、正社員の残業代を減らせた方が明らかにインパクトが大きいのです。
正社員1人か2人でパート・アルバイト社員の登録販売者が1人か2人いる形を目指し、理想は1:2と呼んでいるのですが、正社員1人にパート社員2人の形です。
もしも、パート社員の採用ができなければ、2:1とか3:0の形になります。この3:0の状態を2:1にするだけでも、年間200万円のコストが違います。この200万円というのは年間たったの200万円とはいえ、店舗の営業利益ベースで言うと大体の10%くらいの改善インパクトになります。営業利益が毎年10%ほど簡単に上がります。採用については、何よりもこれがメリットだろうとエリアマネージャーには伝えています。

それをリファラル採用で実現できる可能性があれば、採用の充足だけでなく店舗のPLさえも一気に改善できるのです。
私は店舗運営部長にそれを何度も伝えていました。

−−社員の反応は?

それでも、PL改善のインパクトや問題意識についてピンときてたのは3分の1くらいの社員ではないでしょうか。半分もいっているかどうか。

エリアマネージャー全員には、まだまだ共感できるものではなかったかなと思います。
しかし、それは先程の話につながりますが、最初から全員という訳でなくとも良いので、まずは5人くらいが反応してくれれば良いと考えていました。その後、すぐにエリアマネージャーの半分が反応してくれて、今ではみんなが理解してくれてるのではないかと思います。

社内への浸透をうまく推進できたことで、期待が驚きとなった採用成果


−−リフカムの導入効果について教えてください

ここまで成果が出るとは考えていなかったです。パート・アルバイト社員の応募数も採用できた人数もそうですが、登録販売者の採用人数も、まさかここまで達成できるとは思っていなかったです。

薬王堂は、店舗を作るときもそうなのですが、かなり瞬発力があります。社員はみんな真面目なので、そこはしっかりと動いてくれると信じていたのですが、実際に紹介された側の反応が気になっていました。
応募してくれる方はどう感じるのかというのが心配だったのですが、実際にこのように採用できていますし、ましてや、登録販売者の方が採用できていて、競合企業から入社してくれる方や登録販売者の資格を使ってない資格が休眠となっている方がこんなにもいるのかと、そのことに私は大変驚きました。

まさに、期待していた「転職したいけど、職探しなどの具体的なアクションを起こせていない方」にアプローチができた実感を得ています。

−−今後リファラル採用をどのように発展させていきたいですか?

リファラル採用に注力を開始して、驚くほどの成果が出ていますが、その後、少し止まってきているので、そこがこれからの課題だと感じています。
成果を定常的に得るには「継続」が必要だと考えているので、そのような仕掛けを施していきたいと思っています。リフカム社には「現場社員がリファラル採用の活動に飽きない仕掛け」という形で、アプリなどもどんどん改良して欲しいと考えています。

ある一定の成果を常に得られるようにと欲張るのもあまり良くないかなとも思うのですが、登録販売者を月5名ほど安定して採用ができるところまで持っていき、それを維持できる状態を作りたいです。
リファラル採用の文化とまではなかなか達しないかもしれませんが、リファラル採用というものを会社に定着させたいと思っています。

人を集める力を持てれば、資金力が高くなくても十分に戦えると考えています。競合企業に人材が集まらないということは規模拡大もそうですが競争力を高められない状況を作れるからです。
当社は、300店舗中100店舗は補充やってないとかアウトソーシングしてるとかPOPの張り替えの数を少しでも減らそうとか、補充の回数をどんどん減らそうとかレジのやり方を変えようとか、そういうシステマチックな会社です。別にノルマもないですし、そういう意味ではリラックスして働ける会社なので、働き方とかは今の世代には合うのではないかと思います。当社の魅力がより多くの方に伝わればと考えています。