イベントレポート

採用難業界でも通用するリファラル採用〜人事と現場メンバーの強力なタッグによるリファラル採用の全社推進〜

2018年12月7日に開催した、リファラル採用事例セミナーのレポートをお送りします。

今回ご登壇いただいたのは、訪問看護・リハビリテーションを展開するLE.O.VE様。人事担当の吉原様と、看護の現場で実際に働いている田邉様それぞれにお話しをいただくことで、人事側・現場スタッフ側それぞれのお声を聞くことができました。

人手不足で人材獲得が難しいとされる看護事業で、リファラル採用に成功しているのはどのような工夫をしているからなのでしょうか。お二人からお話をいただきました。

人事の熱意だけではなかなかスタッフが動かない

LE.O.VEは訪問看護やリハビリサービスをしていて、スタッフの9割が国家資格を持った専門職。採用する側も採用される側も専門職であるため、少々特殊といえる。

自分はスーパーバイザーとして、またリハビリを行う専門職の理学療法士として現場で働いているが、人事が「紹介してほしい」とただ思うだけではなかなかスタッフは動かない。
店舗責任者として働いていた時に、会社の理念と人事の気持ち、そして現場のスタッフにかなりの温度差があることを感じていた。

採用予算などの話をされても「自分には関係ない」と思ってしまうのが正直な気持ちだし、「人材採用って人事の仕事でしょ」と思ってしまうのが本音。

しかし、自分もリファラル採用に携わるようになって、リファラル採用のメリットを知っていった。実際にリファラル採用をするのは現場のスタッフになるので、スタッフにメリットや友人紹介の方法を知ってもらわないとなかなか変わらない。

リファラル採用でうまくいったこと、いかなかったこと

当社も最初は紹介会社をメインに採用活動を行っていたが、どうしても採用コストがかかる。そこで、社員が会社説明をすることで低コストの採用が実現され、定着率も高いリファラル採用に目を付け、約2年前に開始した。

2年の中ではうまくいったこと、いかなかったこと、いろいろあった。

一番うまくいかなかったのは、やはりスタートアップ(立ち上げ)。何をしていいのかがわからず、現場のスタッフに何を伝えればいいのかわからない、伝えたとしてもスタッフが紹介してくれる方法もわからない、という壁に当たった。その中でいろいろな施策を出していき、少しずつ改善された。

反対にうまくいったことは、最強の協力者をゲットしたこと。現場で働いているスタッフでリファラル採用に積極的に参加してくれたスタッフに協力を得て、どうすれば現場のスタッフが動くか相談したり、一緒に施策を打ち出したりしていった。協力者がいるとスタッフ目線で考えられるし、現場スタッフから声掛けした方が間違いなく全体に浸透する。

また、リファラル採用の成功はリフカム社が提供しているツールやノウハウの部分も大きい。コンサルティングに入ってもらったり、ノウハウを0から10まで教えてもらったりすることで徐々に知識がついてきた。アプリを使い手順を簡素化することで、誰でも使えるようにした。

リファラル採用のメリットの周知をすることによって「やらなければならない」という義務感を社員に抱かせることができた。人事側からスタートしていったリファラル採用だが、まもなく2年が経つ今、ようやく文化として根付いてきている。

Refcomeの活用術

「全員人事」という会社理念を新入社員の段階から埋め込んでいくことが重要。自社では初任者研修でもリファラル採用について話をして、メリットやツールの説明、さらにアプリのインストールまで落とし込んでいる。

既存スタッフにはなかなか受け入れられない施策も、新入社員には比較的簡単にすりこめる。そうなるとリファラル採用が活性していく。

新入社員の段階ではフレッシュな気持ちも持っているし、友人との間で転職先の話になりやすいので、紹介のきっかけがつくりやすい。

リファラル採用ではRefcomeのさまざまなツールが非常に役立っている。メール配信ツールがあり、自社のメールとあわせて週2回発信している。メールを配信することで社員が反射的に友達に自社を紹介できるような考えを刷り込んでいる。

Refcomeのアプリも活用している。アプリを開けばすぐに募集ポジションを確認できるし、友達もすぐに紹介できる。インタビューページにはスタッフの声をまとめていて、社員がリファラル採用に対して前向きな気持ちになれるよう促す。当社には若い社員が多く、メールの開封率は30~40%にとどまっているが、アプリのインストール率は75%とかなり浸透している。

アプリで工夫しているのは、募集ページの入り口を選考面接、座談会、ステーション見学の3つのみに絞っている点。こうすることで友人のニーズに合わせた募集ページの紹介ができ、マッチングミスをなくすことができるし、悩んでいる友人をプールすることで取りこぼしも防げる。

さらに現在はスペシャルインビテーションカードとリファラルブックについて効果測定を行っている。インビテーションカードにはQRコードが載っていて、読み取ればすぐに応募フォームにアクセスできるのが魅力。カードは全スタッフが1枚ずつ、常に持ち歩くように呼び掛けている。

リファラルブックは自社の社員や働き方についての魅力をまとめた本。現場のスタッフから出やすい質問や自社の強み、求める人材についてもまとめられている。かつてはペラペラの紙だったが「これだとすぐに捨てられるのでは」と思い、立派に製本してもらった。現在、全店舗に一冊ずつ配布して、週に一度朝礼時に読んでもらっている。

リファラルのツールを手にしたら、スタッフがやるだけの環境に整えてあげることが人事の仕事と考えている。

入社したいと思われる自社のブランディングが重要

今期はまだ半期しか経過していないが、すでにリファラル採用でのスカウトは200以上、応募者は100名近くと昨期を上回る。さらに内定も決まっている。

どんなにスタイルをシンプルにしても、それを伝えなければ社員に浸透しないので、なかなか骨が折れるが、継続していくことによって間違いなく効果は上がってくる。現在の当社の採用のうち13%はリファラル採用経由となり、徐々に数値が伸びてきた。

また、マッチングミスが少ないことはリファラル採用の大きな魅力で、当社では現在リファラル採用による入職者の定着率は100%である。

今後は優秀な人材を低コストで採用するために、スタイルをもっとシンプルにして友人を誘いやすい環境づくりを考えている。そのためには、友人を紹介したくなる会社づくりはもちろん、友人から紹介してほしいといわれる自社のブランドの確立を目指す。

「採用と定着」に注力しているという吉原様。田邉様という最強の協力者を得て、リファラル採用にさまざまな工夫を取り入れることで、年々成果を上げていることがわかりました。Refcomeのツールにはひと工夫を加えることで、断然効果が変わってくるようですね。

吉原様、田邉様、どうもありがとうございました!

ご一読いただきありがとうございました。
下記、参考記事ではリファラル採用に成功している企業の事例を解説しています。
是非、こちらもご一読ください。

参考記事:
リファラル採用を成功している企業10社の事例を解説

登壇者

吉原 優太LE.O.VE株式会社人事部 サブチーフ

LE.O.VE株式会社にて採用、労務、入社後スタッフのフォローアップに携わり、医療業界で年間400名の面接を実現。新卒採用、中途採用領域にも精通している。 未来の可能性を多く秘めている訪問看護事業を人事の立場で盛り上げるために、LE.O.VE株式会社に入社。現在は自己応募100名採用に向け日々奮闘中!

LE.O.VE株式会社にて採用、労務、入社後スタッフのフォローアップに携わり、医療業界で年間400名の面接を実現。新卒採用、中途採用領域にも精通している。 未来の可能性を多く秘めている訪問看護事業を人事の立場で盛り上げるために、LE.O.VE株式会社に入社。現在は自己応募100名採用に向け日々奮闘中!

田邉 ゆかりLE.O.VE株式会社スーパーバイザー 理学療法士

スーパーバイザーとして店舗の品質管理、人材育成に携わり、採用面接にも同席している。 スーパーバイザー就任前は、店舗管理者そして理学療法士として医療現場に勤務しており、その頃から人事部と協力し全社にリファラル採用が浸透するよう働きかけていた。 現場目線でのリアルな声を人事部に届け、スタッフが活用しやすい施策を考案することが使命!

スーパーバイザーとして店舗の品質管理、人材育成に携わり、採用面接にも同席している。 スーパーバイザー就任前は、店舗管理者そして理学療法士として医療現場に勤務しており、その頃から人事部と協力し全社にリファラル採用が浸透するよう働きかけていた。 現場目線でのリアルな声を人事部に届け、スタッフが活用しやすい施策を考案することが使命!