1. リファラル採用が失敗する根本的な原因とは
多くの企業がリファラル採用で躓く最大の原因は、「制度を作れば勝手に紹介が発生する」という誤解にあります。
人事担当者の熱意だけで制度を導入しても、現場の社員にとっては「よく分からない業務が一つ増えただけ」と捉えられがちです。社員はリクルーターのプロではありません。
ここからは、具体的な失敗事例を通して、なぜうまくいかないのかを深掘りしていきましょう。
2. 失敗事例1:ターゲット・ペルソナが曖昧
「誰かいい人いない?」は禁句
最も多い失敗が、求める人物像を明確にせずに「誰かいい人いたら紹介して」と広く投げかけてしまうケースです。
「いい人」の定義は人によって異なります。ターゲットが曖昧だと、社員は自分の友人の誰を紹介すべきか判断できず、結果として「紹介できる人はいない」という結論に至ってしまいます。
また、仮に紹介が発生しても、自社のカルチャーやスキル要件と合致せず、不採用が続くという悪循環に陥るリスクもあります。
リファラル採用の基礎知識やメリット・デメリットについては、以下の記事で解説しています。
≫ リファラル採用とは?基本的な仕組みからメリット・デメリット、事例までを解説
3. 失敗事例2:紹介フローが複雑・心理的ハードルが高い
「面倒くさい」が協力率を下げる
社員にとって、友人を紹介するという行為は、少なからず心理的な責任や手間を伴います。
その上で、以下のような業務的な負担があると、紹介のモチベーションは著しく低下します。
- 専用のExcelシートへの入力項目が多すぎる
- 紹介した友人が不採用になった場合のケアが不明確
- インセンティブの申請手続きが煩雑
特に、友人関係が壊れることを懸念する社員は多いため、「カジュアル面談」のようなライトな入り口を用意できていないと、紹介数は伸びません。
こうした運用の手間を大幅に削減し、社員がスマホから簡単に紹介できる仕組みを構築するには、専用ツールが有効です。Refcomeの機能や導入効果が分かるサービス資料は、以下よりダウンロードいただけます。
≫ Refcomeサービス資料をダウンロード
4. 失敗事例3:社内告知が一過性で終わっている
「忘却」との戦いに負けている
制度導入時に一度全社メールを送っただけで、その後はポータルサイトにバナーを貼っているだけ、というケースも散見されます。
人間の記憶は時間とともに薄れていきます(忘却曲線)。日常業務に忙殺される社員にとって、リファラル採用は優先度が低いタスクです。
定期的な発信や、キャンペーンなどのイベント性を持たせた告知を行わない限り、制度はすぐに風化し、忘れ去られてしまいます。

社員に忘れられないための社内告知のコツやテンプレートは、以下で詳しく解説しています。
≫ リファラル採用の社内告知|案内文・例文のテンプレートや失敗しない方法を解説
5. リファラル採用を成功させる7つのポイント
失敗事例を踏まえ、リファラル採用を軌道に乗せるために押さえておくべき7つのポイントを紹介します。
成功事例から学ぶ、具体的な施策のヒントはこちらの記事もご覧ください。
≫ リファラル採用の成功事例15選|大手や中小企業の導入実績を紹介
1. 導入目的の共有(Why)
なぜ今、リファラル採用に取り組むのか。コスト削減のためではなく、「自社のカルチャーに合う仲間を自分たちで集めるため」という、共感できる目的を経営陣や人事から発信し続けることが重要です。
2. ターゲットの明確化(Who)
「30代のエンジニア」だけでなく、「週末はキャンプに行くようなアクティブな人」「○○の技術に課題を感じている人」など、具体的なペルソナを設定し、社員が友人の顔を思い浮かべやすくします。

3. 紹介フローの簡素化(How)
URLをLINEで送るだけで紹介完了など、社員の手間を極限まで減らします。履歴書不要のカジュアル面談を設けることで、心理的ハードルも下げましょう。
4. 適切なインセンティブ設計
金銭的な報酬だけでなく、食事代の補助や、表彰制度など、社員が「紹介してよかった」と思える設計にします。ただし、高額すぎる報酬は目的を見失わせるため注意が必要です。
5. 継続的なコミュニケーション
月1回のニュースレター配信、ポスター掲示、全社MTGでの共有など、チャネルを変えて情報を発信し続けます。「単純接触効果」を狙い、常にリファラル採用が頭の片隅にある状態を作ります。
6. 称賛文化の醸成
紹介に至らなくても、声をかけた行動自体を称賛します。「採用できたかどうか」だけで評価すると、ハードルが上がりすぎてしまうからです。協力者をヒーローにする文化が、次の協力を生みます。
7. データの可視化と分析
「認知率」「協力率」「応募率」などをKPIとして設定し、どこでボトルネックが発生しているかを分析します。感覚値での運用から脱却し、データに基づいた改善サイクル(PDCA)を回しましょう。
しかし、これらのデータをExcelなどで手作業で管理・分析するのは膨大な工数がかかります。Refcomeなら、リアルタイムで活動データを可視化し、分析の手間をゼロにします。具体的な機能は、ぜひ資料をご覧ください。
≫ Refcomeサービス資料をダウンロード
6. まとめ:制度設計と運用の両輪を回しましょう
リファラル採用の失敗は、決して「社員の愛社精神が低いから」ではありません。多くの場合、「紹介しにくい仕組み」や「伝わっていない現状」 に原因があります。
今回紹介した失敗事例を反面教師とし、7つの成功ポイントを意識して制度を見直してみてください。社員が自然と友人を誘いたくなるような、自社らしいリファラル採用の形を築いていきましょう。
