当インタビューは、「社員にとって紹介したい会社作り」「本質的な採用における取り組み」を積極的に行う企業様を表彰対象とした「Referral Recruiting AWARD 2023」の受賞企業様へ、その取り組みをお聞きするシリーズです。

株式会社globは、青山商事の100%出資連結子会社として2011年に誕生、「焼肉きんぐ」「ゆず庵」を主軸とするフードサービス事業をはじめ、フィットネス事業、リユース事業を全国に展開しています。

今回、株式会社globは「各現場での自主的なリファラル採用活性化を促進し、圧倒的な成果を上げた会社」としてエンタープライズ賞を受賞しました。

  • リファラル採用を始めたきっかけ
  • 従業員の意識改革のために行ったこと
  • 今後の展望や作っていきたい環境

などを中心に、具体的な仕組み作りについてお話をお伺いしました。

②プロフィール

プロフィール

山田 拓哉 様・・・親会社である青山商事株式会社から2020年より株式会社glob管理部に出向。全国の「焼肉きんぐ」「ゆず庵」「ANYTIME FITNESS」「セカンドストリート」の人事・採用業務を担当。

有料媒体の求人だけでは人を補いきれなかった

― 山田さんの現在の役割を教えていただけますか?

全国の各事業における人材の採用手段を考え、店舗に実行を促すポジションにいます。Refcomeの導入は2018年に開始していて、私は前任者から引き継いだ形です。どうやってRefcomeのアプリを使ってリファラル採用を促進していくかをミッションとして、これまで4年間ほどやってきました。

― ずっと採用に関わる業務に携わられてきたんでしょうか?

そうです。2020年にglobに着任してからは、人事・採用・労務や総務関係を扱っている部署に属しています。メインは正社員の採用で、新卒採用や中途採用の窓口、求人の手配などを行っています。
アルバイトのリファラルについては、店舗を管轄している営業部の採用フォローをしていく形で、私が担当をしています。

― いつ頃からリファラル採用に取り組んでいますか?

2018年ごろからです。元々は、焼肉きんぐ・ゆず庵のフランチャイズ元である物語コーポレーションでリファラル採用をやっていて、リファラル採用の存在自体は認知されていました。
ただ、特に仕組み化されていたわけではなく、店舗でアルバイトに簡単に協力依頼していた程度でした。それを仕組み化できないかと考え、スタートしました。

― 当時、採用についての課題はありましたか?

当時は有料求人媒体でしか採用活動をしていなかったと聞いていて、時代の流れと共に、媒体に出しても応募が集まらないなど、限界を感じていたようですね。

あとは、コストがかかる点です。焼肉きんぐやゆず庵などの業態では抱える従業員数が1店舗あたり50~70人なので、採用しなければいけない人数も非常に多いんです。本来の採用目標より少ない人数しか採用できなかったことが多かったようで、有料媒体だけでは人を補いきれない課題がありました。

― 採用の柱を増やしていこうという中で、リファラル採用に注目されたんですね。

定着率の向上や店舗の環境改善も期待しての導入だと思います。有料媒体経由で採用してもすぐ辞めてしまうなどの課題もある中で、“働く従業員”というより“仲間”を集める感覚で、友人が友人を呼んで、良いチームづくりに繋がっていってほしい、そして楽しく店舗で働いてほしい、という想いがあります。

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徹底したのは従業員の意識改革

― 導入当初と現在の目標採用比率を教えていただけますか?

導入当初も現在も変わらず、年間採用者数のうち25%程度をリファラル採用で確保するのが目標です。

― リファラル活性化のために最初に取り掛かったこと、今も注力されていることはなんですか?

スタートした頃に一番最初に取り掛かったのは「意識改革」です。
まず、リフカムさん支援の元、店長を1ヶ所に集めて研修を行いました。そもそもリファラル採用という言葉自体を知らない者ばかりだったので、言葉の意味を伝えたり、なぜこれを今からやろうとしているのか、背景を説明しました。

現在は、入社する従業員全員に、友人紹介ができるツールであるRefcomeアプリをインストールしていただくことをとにかく徹底しています。

― まずは意識改革、そこに気づかれた理由を教えていただけますか?

ずっと店舗の社員達と付き合っていく中で、目の前の業務に対しては情熱を持ってやっていても、それ以外に対する関心や情報への感度の低さを感じていました。採用についても、待っていれば人は勝手に集まってくるものだという意識の社員が多く、これはもう根本的に時間をかけて指導していかなければならないと思いました。

― 社員の皆さんが情熱を注ぎ込む先の1つに採用を増やしていったんですね。

そうですね。当時、「絶対やらなきゃいけないけど、急は要さない」ことになかなか手を付けられていない状態でしたので、「そこは時間をかけてやっていかなければいけないよ」と指導するところから始めました。

― 規模の大きい御社で意識改革の浸透にかかった時間はどのくらいでしたか? 

2~3年ぐらいだと思います。2018年からRefcomeアプリを導入していて、2021年ぐらいで初めて全店的に数字も上がってきました。店舗から人が足りないとSOSが出ても、有料媒体は使わず、人を集める手段はリファラルしかないという状況を作り、積極的に推進したこともあります。

― 時には厳しく、根気強く続けられたんですね。意識改革の中で現在も継続していることはありますか?

毎月月初に、店舗の従業員のRefcomeアプリのインストール数をフィードバックしています。年間の採用数に対する前月末までのリファラル採用数や採用率を、店長だけではなく、新入社員に至るまで全社員にフィードバックを行っています。

一般社員の方が年齢が若くアルバイトとの繋がりが強い場合も多いですし、店長があまり意識できていなくても、その下の社員たちが「なんかうちの店だけ数字が悪いですよ」みたいなことに気づいてくれればという意図も込めながら、全社員に発信しています。

― 数字の共有が意識を上げるところにも繋がっているんですね。成果はいかがでしょうか?

1ヶ月単位で各年度のリファラル採用比率を追いかけていて、2020年以降、毎年、前年同月を上回る結果になっています。アルバイトの子たちが積極的に仲間集めをやってくれていますね。

― 山田さんのお立場だと全国の店舗と直接コミュニケーションを取るのは難しいかと思いますが、そこはどのようにカバーしていますか?

エリアマネージャーを通じて担当店舗にRefcomeアプリのインストールを推進してもらいました。他にも、アルバイトの子達がRefcomeアプリを開く動機となるような記事を発信していて、その作成にも協力してもらっていました。

エリアマネージャーは有料媒体掲載の稟議を上げてくるのですが、「お金をかけて求人を出す前にできることがあるのでは?」という気づきをデータで示すために、毎月エリアマネージャーごとにも担当店舗のリファラル採用比率を出すようにしています。そうすることで、やるべき作業の優先順位が少し変わってきているようです。

③文中

今後はリファラルで正社員と主婦層を

― 先ほど毎年数字が伸びているというお話がありましたが、具体的に教えていただけますか。

2023年度で言うと、12月時点で全体数の30%超がリファラルの採用比率です。2020年度が23.6%で、コロナによる採用停止などもあった中ではありますが順調に推移しています。

求人倍率がどんどん上がり、有料媒体に求人を出しても応募が来ない…だから必然的にリファラルをやらなきゃいけないという背景もありますし、外国人留学生のアルバイト雇用が増えたことも影響しています。海外から来た仲間達のネットワークは非常に強く、リファラルがより活性化してる背景もあります。

ちなみに一番リファラル採用比率が高い店舗は75%で、店長も含め、店舗スタッフの半分がインターナショナルです。有料媒体で求人を出しても集まりづらいところで、リファラルだけで採用のほとんどを補えている店舗です。

― 施策のメインとしてご活用いただいているRefcomeアプリについて、役立っていると感じていただいた部分はどこでしょうか。

どれだけ社員が案内を徹底してくれても、リファラルの発生タイミングは従業員ごとに異なります。そういった中で、記事機能や通知機能で従業員の意識をリファラルに傾けるためにRefcomeは必須になっています。

運用面でも、紹介履歴を給与データに紐付けて、紹介者への精励金を支給する仕組みにしているので、CSVエクスポート機能含め、Refcomeの管理画面はないと困るなと感じています。 

― 最後に、今後の展望をお聞かせください。

アルバイト以外にも、正社員のリファラルをどう繋げていくかが課題です。

アルバイトについても、今は学生が主体ですが、主婦層の皆さんに紹介するメリットやアクションを促進するのが今後取り組んでいきたい部分です。

― 店舗を巻き込んだ徹底的な意識改革が実績にも顕著に現れているglobさん。貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました!

glob様-1 ▲ リフカム代表の清水(左)とglob代表の古市様。