「社員にとって紹介したい会社作り」を積極的に推進し、自社の企業成長のために努力されている企業様を表彰対象とした「Referral Recruiting Award 2020」の受賞企業様へのインタビューをご紹介します。

株式会社Regrit Partnersは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて企業の事業競争力の強化を実現するコンサルティングサービスを提供されています。クライアントの事業とはどうあるべきかを常に考え、異能との共創により新たな価値を提案し、クライアント企業の変革を推し進める存在として伴走されています。

今回、株式会社Regrit Partnersは「会社を巻き込む文化醸成が素晴らしい企業」として優秀賞を受賞しました。

  • リファラル採用を始めたきっかけ
  • 社員を巻き込むための工夫
  • これからリファラル採用を導入しようと思っている方へのメッセージ

などを中心に、具体的な仕組み作りについてシニア・マネジャー 兼 採用責任者である袴田様にお話お伺いしました。

「仲間集め」はコアバリューの一部

ーー優秀賞受賞おめでとうございます!まずは受賞の喜びの一言をお願いいたします!

ありがとうございます!自分たちの取り組みを客観的に評価してもらえたことは、たいへん嬉しく思います。自分一人で成し得た成果ではなく、皆の取り組みを発信した結果が評価されたと思っているので自信につながりました。

ーー社員一丸となって取り組まれているからこその素敵なコメントですね。 はじめに、リファラル採用を始めたきっかけを教えてください。

当社は、今でこそ媒体や人材紹介エージェント様などの他チャネルも利用していますが、創業期はリファラルだけで採用をしていました。つまり元々リファラルファーストな会社です。

マネジメント層では「会社を大きくしていく上で、最も大事な仕事は”営業”と”採用”だ」とよく話しています。仲間集めは自分たちのスキルアップにもつながりますし、マーケット認知もあがり、プラスになることが多いため、皆で取り組んでいくべきことなんだという想いが根底としてあります。

また、社外の人たちとのネットワークを広げていくことは、コアバリューの「Co-creation 共創する」に紐づく活動でもあります。「Co-creation 共創する」の一部が採用であると再定義したことも、大きなターニングポイントになりました。

ーー社員を巻き込むことに苦労している企業が多いので、ぜひ工夫していることを教えてください。

大きく分けると二つあります。
一つ目は、入社前〜入社時点で「仲間集めは大切な業務」と捉えていることを発信して、受け止めてもらうということをやっています。
二つ目は、評価の中にCo-creation (共創)の行動評価を組み込んでいる点です。採用決定数ではなく、「社外に出て積極的に関係を構築しているか」を評価しています。 リファラル採用のインセンティブは決定数ベースで支給する企業が多いと思うのですが、行動評価を取り入れているのは新しい取り組みだと思います。 行動評価には、Refcome Teamsのデータも活用しています。

ーー制度設計に悩まれる企業が多いのですが、どのように設計されましたか?

我々として必要な能力だから評価に組み入れました。目的ベースの自然な意志決定だったと思っています。

これからのコンサルティングファームのあり方は、自分たちだけで物事を解決するというよりは、プロフェッショナルの能力を正確に理解するとともに、ビジネス的な関係をあらかじめ作っておいて、必要に応じてチームを作って課題解決するというのが主流になるだろうと思っています。我々自身がそのプロデュースや指揮をするために、まずできることは関係性構築だというストーリーがあったので、評価に取り入れるに至りました。

実は、行動していない人にペナルティをつけようかというアイデアもあったのですが、他マネージャーの猛反対にあいましてボツにしました(笑)「それだとみんな会社を嫌いになってしまう」と。採用という行為そのものを「イヤイヤやる」状態は本意ではないので、ペナルティ案は不採用にして良かったと思っています。

Regritpartners様画像

採用だけではなく、自分たちの視野を広げることにもつながっている

ーーリファラル採用の文化作りをする上で大変だったことはありますか?

そうですね…日々大変です(笑)
火がついている瞬間はみんなぐわーっと動くんですけど、すこし鎮静化してくるとぱたっと止まる傾向はあるので、それをどう盛り上げるかが大変ですね。

ーー火を絶やさないために工夫していることはありますか?

Refcome Teamsからログを拾って、面白そうな方を Slack などで紹介しています。採用に拘らずにビジネスリレーションを作ろうという前提で活動しているので、クセが強い人と出会ってくる人もいます(笑)紹介されたことをきっかけに、「自分もやってみよう」に繋がっている例がありますね。

あとは、今はビジネスマッチングサービスがたくさんありますが、どのサービスを使ったらカジュアルに人と会えるのかを検証して社内に発信したり、相手から興味を持ってもらうためのプロフィールの書き方を発信したりしていますね。

ーー取り組みを経て、成果はいかがですか?

定量的な話でいうと年間10名採用できていて、直近1-2ヶ月で2人内定が出ています。
定性的な話でいうと、若手が面白そうな人とコネクションを作り始めているということですね。若手の頃は仕事にフォーカスすると一直線になってしまうと思うんですが、強制的に視野を広げられる機会があるというのはすごく良いことだなと思っています。

若手以外のところに目を向けると、Co-creationの活動をしていく中で出会った方と共催でセミナーやりましょうと発展していったことがありました。コロナ禍でどういう風に営業していくかという話がある中で、このような活動が3-4回あったのもすごく良かったですね。

私自身も視野が広がったなと思っていて、例えばサロンとかコミュニティに入ってみたら、普段会わないような方に出会えて、こういう出会いがあるのも面白いなと思いましたね。自分にはない物事の捉え方とか発想をお持ちで、議論が繰り広げられるので面白いです。直接的にすぐ仕事に活きるわけではないですが、我々が相手にするお客様のその先にいらっしゃる方は、いろいろな発想や考えを持っているはずなのでそれに気づかされますね。
我々が持っている仮説は、一側面しか捉えられていないかもしれないし、真逆の発想を持っている人がいるかもしれない。そのことを想定して、どう進めるべきか考えるチューニングの場があることは悪いことではないと思います。

Regritpartners様画像

人事だけがやるのではなく、一緒にリファラル採用ができる関係性作りを

ーーこれからリファラル採用を導入しようと思っている方に対してメッセージをお願いいたします。

人事がやらない方がいいと思っています(笑)
何が言いたいかというと、人事が主導でやってしまうと自分たちの目標達成のために手伝わされている感が出てしまうと思うんです。そうじゃない方がいいのかなという気がしています。
例えば、現場のリーダーから「人がいなくて困っている」と声があがったときに「じゃあ一緒に採用しにいこうぜ」という関係性を作って巻き込むか、もしくは社長から「採用がみんなの仕事だから」と文化形成するか、この二択が良いのではと思っています。

ーーリファラルに何年も取り組まれているからこそのメッセージですね。 導入した後は、何から始めると良いと思いますか?

導入当初、人事からお願いすることになるのであれば、まずは人事でリファラル採用してみたらいいのではと思います。手探りの中始めると、「人事もできないことをなんで自分たちがやらなければいけないんだ?」になってしまうと思うので、人事でまずは形を作って現場感のあるアドバイスができると良いと思います。

短期間で成果を求めるなら、営業の人がリーダーになると良いと思います。採用の推進方法は営業に似ており、仕組み化していくとパイプライン作りとKPI管理に落ちます。数字を追いかけるマインドセットと行動は、営業の方の得意領域だと理解していますが、ある程度強制的に動かしていくのであれば一つの打ち手としてありだと思います。

ーー最後に、今後の展望や意気込みを聞かせてください。

現在の「仲間集めはコアバリューの一部」という座組みは続けながら、採用だけではなく思わぬビジネスコラボレーションにつながると良いなと思っています。リファラル活動の中で人との出会いが広がって、例えば事業を新規に立ち上げる時に、「そういえばこういう人いたじゃん!声かけてみよう!」くらいになるといいなと思っています。

ーー受賞企業様の具体的な取り組みがよくわかりました!貴重なお話ありがとうございました!