当インタビューは、「社員にとって紹介したい会社作り」「本質的な採用における取り組み」を積極的に行う企業様を表彰対象とした「Referral Recruiting AWARD 2023」の受賞企業様へ、その取り組みをお聞きするシリーズです。

株式会社ログラスは、「良い景気を作ろう。」をミッションに、企業経営のDXと高度化を実現するSaaSプロダクト「Loglass経営管理」を中心に、サービスを展開しています。
現在はさらなるPMFを目指し、対象となるお客様の業種業界の拡大や、経営管理領域にとどまらないマルチプロダクト化、「AI経営革命」として経営のビッグデータ活用などを推進しています。

今回、株式会社ログラスは「リファラル採用に取り組むカルチャーづくりが素晴らしい会社」としてスタートアップ賞を受賞しました。

  • リファラル採用を始めたきっかけ
  • 社員を巻き込むための工夫
  • リファラル採用に悩んでいる方へのメッセージ

などを中心に、具体的な仕組み作りについてお話をお伺いしました。

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プロフィール

飯田 意己 様・・・創業期のログラスに7人目の社員として入社。現在はシニアエンジニアリングマネージャーとして、開発組織のマネジメント・組織戦略・採用責任者を担当。

佐藤 晶 様・・・2023年10月ログラスに入社。前職では採用責任者を務め、全社の採用活動を推進。現在はDevHRとして開発組織の採用を担当している。

カルチャー強化のために創業時からリファラルに取り組む

― 受賞おめでとうございます!はじめに、リファラル採用を始めたきっかけを教えてください。

飯田様:私が入社したときには、すでに経営陣の二人がリファラルの活動を精力的に行っていました。なので、創業当時からリファラルで人を繋げていく強い信念がありました。
スタートアップの組織を作っていく上で、スキルだけでなく「どんな人柄か」「一緒に仕事をしてわくわくできるか」「苦しい時期を乗り越えられるか」「日々の波長が合うか」などが大事になってきます。リファラル採用は、その確度が高い採用手法だと思っています。

― カルチャーマッチを重要視された結果なのですね。

飯田様: 初期フェーズからカルチャー作りを大切にしていたので、リファラル採用でそのカルチャーを強化・拡張する、そこにコミットしてくださる方を重要視して採用してきました。

― 初期フェーズから力を入れていたリファラル採用において、“採用狂気”というコンセプトを打ち出し、一丸となって取り組むに至ったきっかけなどはありますか?

飯田様: “採用狂気”という言葉は、Ubieさんから輸入して使用しています。私の前職であるクラウドワークスからUbieさんに転職した方がいて、その方から採用力について話を伺った際にこのコンセプトを教えてもらいました。それがログラスメンバーに刺さり、社内にだんだんと広がっていっていきました。使い始めたのは、2021年4月くらいだったかと思います。

― もともと根付いていたリファラルが、コンセプトが明確になったことでさらに盛り上がっていったのですね。

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立場が上のメンバーが率先垂範で取り組むことで、熱が伝わる

― 実際に取り組んでいる施策についてお聞きしたいのですが、施策はHRを中心に行っているのですか?

佐藤様: いくつか仕組みになっているものはHR主導で行っています。それ以外の取り組みについては、経営陣がメインで全社的に発信しているものもあれば、各チームで個別に実行しているものもあります。

― 具体的にどんな施策を実施しているのか教えてください。

佐藤様: まず入社時のオンボーディング時点で、「リファラル採用を積極的に行っているので、皆さんにも行ってもらいます」といったインプットをしています。入社直後には研修の一環でメモリーパレスという取り組みを実施し、大学の友人や前職で活躍している方などでぱっと思い出せる人を書き起こしてもらっています。ログラスでリファラル採用をする上で、「こういった人に声をかければいいんだ!」というイメージを持ってもらう研修を設けることで、取り組んでもらいやすくなります。

外部に向けて発信しているものには、ミートアップイベントがあります。月1回社員が友人をオフィスに招き、軽食を食べながら会社紹介を聞いてもらったり、社員の他のメンバーに会ってもらう場です。毎回社員の有志で行っていますが、コンスタントに20名程度が集まるイベントになっています。

また、ログラスでは年に2回全社表彰のイベントを実施しているのですが、HRでは、リファラルでの採用決定に協力してくれたメンバーを、表彰しています。

飯田様: ログラスでは、大前提として採用業務への貢献を評価制度の中にも取り入れています。創業当初から「事業を成長させるためには、採用が大きなドライバーになる。それに貢献してくれた人は、高く賞賛・評価します」とトップからもメッセージングをしてきました。評価項目の中に“採用貢献”という観点があり、そこでリファラルをはじめ、採用イベントへの参加や発信活動など幅広く取り扱っています。評価フィードバックの際にも、この観点からGood/Moreを伝えるようにしています。

― リファラルの仕組みを作っても社員の方の協力を得るのが難しい、と悩みを抱えている会社様は多くいらっしゃいます。ここまで社員一丸となってリファラルに取り組めている要因は、どこにあるとお考えですか?

佐藤様: 経営陣が強くメッセージを発信し続けてきたことが、要因の一つだと思います。ログラスはビジネスモデル的にも、組織の成長が非常に重要である、と代表やメンバーの発信で見てきたので、「自分がリファラル採用をするのはもちろん、HRとして強く推進していきたい」と強く思って入社しました。

それと、実は去年半期のリファラル採用に最も貢献してくれたメンバーが、飯田なんです。毎月のミートアップイベントを見ても、飯田をはじめとしたマネージャー陣や経営陣がコンスタントにイベントの参加者を集めてくれています。上に立っている人たちが率先して取り組んでいる姿を見ていると、自分もやらないといけないという気持ちになっていきますね。

飯田様: そうですね。私自身も初期の頃に経営陣が背中を見せ続けてくれたからこそ、ここまでの熱が入ったのかなと思います。CTOの坂本が狂気的なコミットメントを見せつけてくれていたので、彼に負けたくない、彼を超えたいという気持ちで取り組んでいました。

ただ、数を追うためにリファラルをすると歪んでしまいますよね。なので紹介した方が無条件に選考を通過できるわけではなく、カルチャーを守るために見極めることをブレさせないことも重要だと思います。数を追うとミスマッチが起きますし、それだと友人関係が悪化することになりかねません。

何より、「今の組織をより良くしたい」「心から一緒に働きたい」そういった“本心”が土壌としてあることが、リファラルを継続するために大切な要素だと思います。

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紹介したくなる会社を作れば自然と紹介に繋がる

― リファラル採用における今後の展望として考えているものはありますか?

佐藤様: 今後も組織を大きくしていく必要があるので、引き続き全社で「リファラルが採用の重要チャネルであること」「事業成長のために人が必要なので皆で頑張っていきましょう」とメッセージを強く発信していくつもりです。

さらに、これまでお会いした候補者様と中長期的なタッチポイントを作る部分は、HRを中心に仕組み化に取り組んでいきたいと考えています。

― 現在リファラル採用がうまくいっていない、悩んでいる方に対してメッセージやアドバイスをお願いいたします。

佐藤様: 私も前職では「リファラル頑張ってください」と呼びかけているHRだったので、上手く回っていかないときの気持ちはよく分かります。やはり経営陣から「リファラル採用が大切である」というメッセージを強く発信し続けてもらうこと、上に立つメンバーが率先垂範している姿を見せ続けることが重要だと思います。

そして最強のリファラル施策は、”紹介したくなる会社を作ること”だと私は思っています。それが働き方なのかカルチャーなのか、アプローチは様々ですが、まずは「紹介したくなる会社はどんな会社か」を議論すると解決の糸口が見つかるかもしれません。

飯田様: 創業当時から言っていた言葉に、「優秀な人と働くことが一番の福利厚生」というものがあります。どれだけ苦しい状況でも、採用基準においてカルチャー面もスキル面も妥協しなかったことが今のリファラルに繋がっていると思います。

友人を誘う上で、「こんな優秀なメンバーが集まっているから、あなたもここに来たら楽しいですよ!」と、胸を張って言える状況を維持できていることがポイントです。どの会社でも課題はありますが、課題に向き合えていないといった後ろめたい部分があると、声をかける際に誘いにくいものです。理想と現実のギャップで苦しむ部分があれば、まずはそれを取り除く―そのギャップがない組織であれば、誰でも会社に誘いたいと思うはずです。

― メンバーが紹介したいと思う環境作りが、リファラル推進において重要なポイントなのですね。貴重なお話ありがとうございました!

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