このインタビューは、“社員にとって紹介したい会社作り” “本質的な採用における取り組み”を積極的に行う企業様を表彰対象とした『Referral Recruiting Award 2024』の受賞企業様へ、その取り組みをお聞きするシリーズです。

今回ベンチャー部門で受賞した株式会社ボールドは、ITエンジニアの派遣事業とシステム開発を中心に、技術者支援に注力する成長中の会社です。社員1000人規模の組織で、ユニークな周知活動や懇親会を通じて達成した高い成果が評価されました。

  • リファラル採用を強化する背景と課題
  • 制度の発展過程と運営体制
  • ユニークな周知活動と懇親会の効果
  • 今後のリファラル文化醸成に向けた展望

などを中心に、具体的な取り組みについてお話をお伺いしました。

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インタビュイー

酒巻 諒 氏: 人事グループマネージャー。中途採用全般を統括し、リファラル採用の企画・戦略を中心的に推進。

エージェント依存からの脱却を目指して

―― 現在の採用状況とリファラル採用に注力される背景について教えてください。

酒巻: 毎年多くの採用を進める中で、社員数がどんどん増えて今では約1000人規模になっています。新入社員の方々が多くいらっしゃるからこそ、リファラルできるチャンスも増えています。今後は、リファラル採用比率を思いっきり伸ばしていきたいと考えています。

特に当社のようなSES企業の場合、エージェントだけでは出会えないような潜在層の方々が多くいます。例えば 「転職したいけど転職活動はどうしていいかよくわからない」という方が、当社の社員の紹介で話を聞いてみると「SESは考えていなかったけど、すごくいいですね」と言って入社してくれるケースがあります。

当社は社員の90%以上がエンジニアですので、潜在的に当社に合いそうな人たちが周りにたくさんいるはずです。そこをきちんと獲得できれば、エージェントメインで転職市場に流されない、基盤の強い採用ができると確信しています。

『ボルトレ』制度の発展と運営体制

―― リファラル採用の制度やこれまでの取り組みについて教えてください。

酒巻: 当社では『ボルトレ』という名称でリファラル採用を展開しています。2018年から始めたのですが、当初は懇親会を1回企画した直後にコロナ禍になってしまい、なかなか進展しませんでした。

全社員向けの定期便にボルトレに関する記事を掲載するなどの活動はしていましたが、当時はまだ社員数も現在の半分以下で、コロナ禍もあって強く周知できていませんでした。そのため、たまたま紹介で発生した候補者が年間1〜2名決まる程度でした。

しかし、社員数が年々100人ずつほど増えていき、周囲からの「ボールドさんくらいならリファラルにもっと注力した方がいいのでは」という声や、社員からの「紹介したい人がいる」という声が増えてきました。そこで2023年から本腰を入れて取り組むようになりました。

―― 成果としてはいかがでしょうか?

酒巻: 2024年は16名の採用が決まりました。前年が8名、それ以前は1〜2名だったので、大きく成長しています。特にリファラルではハイスキルな方々をご紹介いただくことが多く、エージェント経由だと年収も高くなり相当な手数料になることを考えると、コスト面での効果も大きいですね。

―― ボルトレの運営体制はどのようになっていますか?

酒巻: 私と人事のアシスタント、そして技術部のディレクター(全社で20〜30人ほど)の中から4人が協力してくれています。この4人とは定例ミーティングを行いながら、常に連携して活動しています。

『リファレンジャー』で社内認知から理解度向上へ

―― 社内での周知活動で特徴的な取り組みがあれば教えてください。

酒巻: ユニークな取り組みとして『リファレンジャー』があります。月に一度の全社会『BOLDay』の懇親会で、私たちチームメンバーが『ボルトレ戦隊・リファレンジャー』というコスチュームを着て、社員一人ひとりに声をかけて周知活動をしています。

全社懇親会の場ということもあり社員の反応は非常に良く、「わあ、リファレンジャーが来た!」というノリで楽しんでもらっています。最近では私たちから声をかけなくても、社員から「紹介したい人がいるんです」と声をかけてもらえるようになりました。“ボルトレ=リファレンジャー”という認識が広まっています。

―― すでにボルトレなどを通して社内の認知度は高かったと思いますが、それでもこうした視覚的なアプローチを取られた理由は何でしょうか?

酒巻: 確かにボルトレという言葉自体は毎月の全社会で発信していたので、認知度はほぼ100%だったと思います。しかし、理解度がそこまで高くなかったんですね。ボルトレという言葉は聞くけれど、自分にとって身近ではない、実際に誰かを紹介する際にどう会社の話をすればいいのか、誰に具体的に相談すればいいのか、といった点が明確ではありませんでした。

リファレンジャーは興味を持ってもらうきっかけであり、懇親会の場で一人ひとりと話すことで理解度を高める効果があります。「実は紹介したい人がいるんですよね」という声を直接聞いて、そこから具体的な行動につなげられるんです。目立つキャラクターとして行動することで、社員の理解度が劇的に上がり、自らボルトレについて聞いてくる社員が増えました

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懇親会で潜在候補者を掘り起こす工夫

―― 懇親会が特に成果につながっているようですが、どのような形で実施されていますか?

酒巻: 2時間ほど当社のオフィスの一室で、ピザやお寿司、お酒も飲み放題の環境で、ざっくばらんに懇親します。大人数ではなく、一度に1〜2組の紹介者・候補者ペアに来ていただき、じっくり話をする場にしています。

最初の1時間は趣味の話など本当にラフな会話をしながら、興味があればボールドについても紹介します。先ほどお話したようにボルトレチームには技術部のメンバーもいますので、エンジニア目線での話もします。会社紹介の動画も見ていただきますが、最も重要なのは気楽な雰囲気でボールドに興味を持ってもらうことです。当社のオフィスは船の中のようなおしゃれな空間になっているので、実際の雰囲気を味わっていただくと興味が増すようです。

―― カジュアル面談よりも、さらにざっくばらんな場という印象ですね。

酒巻: そうですね。カジュアル面談でも気軽に受けられると思いますが、本当にまだ転職活動を考えていない、カジュアル面談すら受ける段階ではない方も参加しやすい場です。そこからカジュアル面談につながるケースも多いので、非常に間口が広いと思います。

社員が長年あまり連絡を取っていなかった人に対しても、ボルトレ懇親会があるおかげで、普通に飲みに誘うような感覚で声をかけやすくなったようです。転職の話だけでなく、「久しぶりに飲みに行こうよ」「うちの会社では懇親会があって、お酒もタダで飲めるし赤坂だし、今度行ってみない?」といった流れで誘いやすくなっています。

懇親会に連れてきた社員が入社して、その入社した社員がさらに別の仲間を懇親会に連れてきたケースもありました。しかも、その方が最初のきっかけになった人とも知り合いで、「久しぶりですね」というちょっとした同窓会のような雰囲気になったこともあります(笑)。

―― 懇親会を通じた採用の成果はやはり大きいものですか?

酒巻: 前期は懇親会に参加してくれた方が10人いて、そのうち8名に内定を出し、8名全員に入社していただいたので、内定承諾率100% です。エージェント経由だと内定承諾率は良くて50%程度、内定打診率も40%程度なので、格段に高い成果が出ています。

このような高い成果があるため、今年は月1回だった懇親会を、社員からオーダーがあればいつでも開催できる体制に変えました。技術部ディレクターの方々も積極的に協力してくれており、「日程が合わなくて機会損失した」ということがないよう、できる限り柔軟に対応しています。今週も2回、今日と金曜日に懇親会を予定していますよ。

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リファラル文化を社内に根付かせる今後の展望

―― お話を聞いていると、社員の皆さんの反応はとても好意的なように感じます。リファラル採用に対する意識の変化は感じられますか?

酒巻: まだ課題はありますが、意識の変化を感じています。単に実績が増えただけでなく、ボルトレの理解度が高まって、“自分だけが感じているボールドの良さ”を人に伝えるために言語化し始めた社員が増えました

また、過去にリファラルで人を誘った経験のある社員から 「こういう風に誘いました」「こう言ったらきっかけになりました」といった情報が共有され、誘い方のノウハウが社内に蓄積されつつあります

―― 今後の展望についてお聞かせください。

酒巻: 今期で社員数が1000人を超えますし、年間50人ぐらいはリファラルで採用できる状態にしたいと思っています。理想としては、現在の私と技術部ディレクター数名の小さなチームから、“ボルトレ協力アンバサダー”のような50名ほどのメンバーが社内のさまざまな場所で活動する状態への成長を目指しています。当社には部活やサークル、勉強会、全社会など様々な集まりがあるので、そうした場でもリファラルの話が自然に出てくるような文化を根付かせたいですね。

―― リフカムに対して感じていることや今後期待することはありますか?

酒巻: 非常に心強いパートナーだと感じています。社内だけに目が向きがちな中で、全く持っていなかった角度からのアイデアや、他社事例からボールドに合いそうな施策のヒントをたくさんいただいています。当社の特性をよく理解しようとしてくれる姿勢が本当にありがたいですね。

bold 2 リフカム カスタマーサクセス担当の長田(右)と記念撮影。