このインタビューは、“社員にとって紹介したい会社作り” “本質的な採用における取り組み”を積極的に行う企業様を表彰対象とした『Referral Recruiting Award 2024』の受賞企業様へ、その取り組みをお聞きするシリーズです。
今回エンタープライズ部門で受賞したコスモ石油販売株式会社は、コスモ石油マーケティング株式会社の子会社として、日本全国でサービスステーションの運営を中心にエネルギー関連事業を展開しています。今回は、特に京阪神カンパニーと西関東カンパニーのリファラル採用施策が評価され表彰されました。
- リファラル採用を始めたきっかけと推進体制
- アプリを活用した社内広報の具体策
- 各カンパニーでの成果と今後の展望
などを中心に、具体的な取り組みについてお話をお伺いしました。
西関東カンパニーのみなさん。
インタビュイー
浅倉 祥太 氏: 京阪神カンパニー管理部。SVとしてSS(サービスステーション)の営業活動を推進し、現在は管理部の人事を担当。
石丸 千愛 氏: 西関東カンパニー管理部。Refcome導入当初より人事を担当。
清水 悠生 氏: 本社人財開発部。2020年頃からアルバイトを中心に採用を担当。昨年5月より現部署にて全カンパニーの採用に携わる。
「楽しい職場」を見える化し、定着率向上と社員登用を実現
―― 改めまして、アワード受賞おめでとうございます!コスモ石油販売様はリファラル採用で具体的にどのような成果が出ているのでしょうか?
石丸: 西関東カンパニーでは昨年1年間でアルバイトの紹介が18名、アルバイトからの社員登用は2名と、アルバイト採用の強化に成功しました。
浅倉:京阪神カンパニーではリファラル採用アプリRefcomeの社内応募機能を活用して、アルバイトから社員登用を強化しているのですが、昨年度は社員登用へのエントリーが
が10名以上あり、そのうち7名を採用しました。採用した7名全員が1年以上継続して勤めていますので、経験者が業務を理解した状態で社員になるという点が良かったんだと思います。
―― 両カンパニーともに素晴らしい成果が出ていますね。取り組みを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
浅倉: 社員登用をメインに活用している京阪神カンパニーでは、入社後にギャップを感じて退職する方が一定数いたので、外部からの採用だけではなく内部に眠る優秀な人材を活かしたいと考えたのがきっかけです。アルバイトスタッフは既に業務内容や社風を理解しているので、社員登用することで早期離職のリスクを大幅に減らせると考えました。
石丸: 西関東カンパニーでは、私が入社した頃は500人以上いたスタッフが徐々に減ってきていて、離職率が大きな問題となっていました。リファラル採用を始めてからは、業務内容を理解した上で入社する方が増え、離職率の減少につながっています。
―― Refcomeを導入することになった経緯を教えてください。
石丸: 鷲尾社長が京阪神カンパニーに在籍されていた時に利用されていて、とても良かったという話を聞き、どのように活用されているかを教えていただいたことから導入につながりました。
浅倉: 導入以前は、社内の情報はメールなどで店舗には送れますが、スタッフ個人個人に届ける仕組みがなかったんです。気軽に個人に対してお知らせを送信できたり、会社のシステムメールを使って気軽に連絡できる窓口を設置するという課題がありました。そこをRefcomeで上手く解決できたと思っています。
―― Refcomeをどのように活用されているのでしょうか?浅倉さんはSV時代に実際に従業員側としてRefcomeをご利用いただいていたとか。
浅倉: SV時代には読み手として記事コンテンツなどを楽しんでいましたし、記事のネタになるようなイベント情報や表彰されたスタッフといったSSの事例を本社に共有していました。
石丸: 西関東カンパニーでは、業務に関することからは一切離れて、各スタッフ・店長の紹介や楽しかった社内イベントの記録などを取り入れることで、仲が良くて楽しい職場だということを再認識できている感じがします。
清水: Refcomeの記事をきっかけに、「この記事いいですね」と現場から本部に感想を伝えることでいいコミュニケーションが生まれています。「浅倉さんのところはこんな取り組みをしていますよ」と石丸さんに紹介したりその逆もあったりという形で、カンパニー間のコミュニケーションにもなっています。
アプリ活用の成功要因は“楽しさ”と“トップの本気度”
―― アプリのインストール率が非常に高いですが、どのような工夫をされているのでしょうか?
浅倉: 入社時には、アルバイトや社員を問わず、初日のタスクの一つとしてアプリインストールをお願いしています。それ自体は容易ですが、継続的に利用してもらいアンインストールされないような工夫もしています。会社からの強制ではなく、自発的に読みたくなるような記事や、会社の雰囲気や楽しさが伝わるコンテンツの配信を心がけています。規則や罰則ばかりを発信しても、アプリを開かなくなりアンインストールにつながるのではないかと思います。
インストールを案内するときも、「人を紹介するために入れてください」というような言い方はしていません。社内の行事や他のSSのスタッフの紹介や事例についてお知らせするツールだと説明しています。
石丸: 西関東も全く同じですね。入社時に、アプリをダウンロードしてもらえるよう書類の一枚としてQRコードを印刷したものをお渡しし、店長と一緒にその場でインストールしてもらいます。インセンティブなどについても説明していますが、まずは“社内情報を知るためのツール”として案内しています。
―― アプリの導入が成功している理由はどこにあると思いますか?
清水: アプリを導入する目的やその運用について、トップがどれだけ積極的に取り組んでいただけるかだと思います。京阪神と西関東はカンパニー社長が明確な意思表明をされているため、組織全体が統率されています。
浅倉: そうですね。社長や部長も記事をよく読んでくれますし、インストールについても 「ちゃんとやるぞ!」という号令をかけてくれたことが大きいと思います。トップの姿勢が現場に伝わっています。
石丸: 西関東も同様です。鷲尾社長をはじめ、SVの方々がRefcomeの記事を楽しみにしてくれていて、それがSSにも波及しています。京阪神さんから、最初が肝心だとアドバイスをいただいたことも大きかったです。
「ラーメン通信」も? 現場を巻き込む工夫と反響
―― 社内広報としてRefcomeで記事の配信を行う中で、特に工夫されていることや反響はありましたか?
浅倉: 12月は繁忙期で販売が盛り上がるため、Refcomeでも盛り上げようと毎日配信するようにしました。他店や違うエリアの従業員はあまり知らないことが多いので、他店の頑張っている従業員のことを紹介したり、各店舗に最寄りのおすすめラーメン店を聞いて「応援に来たらお昼はここに食べに行ってね」と配信したところ、「ラーメン通信」と呼ばれるようになりました(笑)。「お勧めされてたラーメン店に行きましたが、とても混んでいましたよ」という声が届くと、実際に読んでくれているんだなと実感します。楽しみに読んでもらえているなら、それはそれでいいかと思っています。
石丸: とても反響があります。現場の方と業務の話をするときや電話で話すときに、必ず「Refcome見たよ」と言ってもらえるので励みになりますね。
―― 広報の質が非常に高く頻度も多いですが、どのような体制で運営されているのでしょうか?
浅倉: 個々で自主的に動いている部分が大きいです。元々従業員に会社の楽しい部分や盛り上がっている様子を伝えるのが好きなメンバーが多いんだと思います。Refcomeは「かゆいところに手が届く」ツールで、その日の出来事をすぐに記事にして共有できる手軽さが魅力です。
石丸: 私も同感です。イベントの時はカメラを離さず持ち歩いて、「これは絶対Refcomeの記事になる」という気持ちで撮影しています。鷲尾社長も記事の案を出してくださるので、自分では気づかない視点も得られて勉強になります。
―― 各カンパニーでリファラル採用を進める組織体制について教えてください。
浅倉: 採用の進捗や求人が必要な店舗の確認は店長会議でヒアリングしたり、現状の採用状況を説明する際に各店舗の店長に対してアナウンスしています。
石丸: 西関東では店長会議だけでなく、毎週の定例会議でSS毎のアプリインストール率などを共有しています。SVからSS、管理部からSS、という2つのルートを作り、情報が確実に届くようにしています。
―― 本部から現場従業員へのアプローチはどのように行っていますか?
浅倉: アプリのプッシュ通知を送ったり、優秀な事例や活躍している従業員にインタビューして記事を配信しています。ポスターなども活用していますね。
石丸: はい、同様です。特にインタビュー記事はSVが率先して行っています。
アルバイト定着と社員登用のさらなる強化――全カンパニーへの展開を目指して
―― 今後目指していきたい方向性を教えてください。
浅倉: 業務的には、閲覧率の高い写真を活用した記事をもっと増やしていきたいです。福利厚生の一環としてRefcomeを活用し、記事のおかげで楽しく仕事できるようなモチベーション向上を目指しています。現状のインストール率と閲覧数を維持しながら、社員登用の成果をさらに上げていきたいですね。
石丸: 西関東では京阪神の社員登用の取り組みを参考に、今後はもっと社員登用を強化していきたいと考えています。アルバイトからの紹介については、アルバイトが少ないSSの採用を増やしたいと考えていますが、紹介してもらえる母数が少ないため、結局アルバイト数の多いSSのほうが有利なんですよね。リファラル採用では同じSSで働きたいと思っている人が入ってくる傾向があるため、アルバイト数の少ないSSの従業員をいかに増やせるかが重要なポイントだと考えています。
清水: 全社的な目標としては、浅倉さんと石丸さんの成功事例を全社展開していきたいです。また、リファラルにとどまらず、一度退職した方や卒業した方がRefcomeを通じて戻ってきてくれるようなアルムナイ採用の仕組みも構築したいと考えています。活用の幅をさらに広げていくことが今後のミッションです。
―― トップからのアナウンスがしっかり届く風土ができているからこそ、退職者向けの魅力的な情報発信も効果的かもしれませんね。
清水: そうですね。京阪神と西関東はエンゲージメントが非常に高いカンパニーで、実績でも全社を牽引する存在です。リファラルの根本にあるのはエンゲージメントだと思いますので、そのエンゲージメント向上において浅倉さんと石丸さんが携わっている取り組みや重要性を、今後社内でも広めていきたいと考えています。
リフカム カスタマーサクセスの鈴木(右端)も加わり記念撮影。