「リファラル採用」を成功させる秘訣をチェック
≫ 「リファラル採用の3つの失敗と7つの成功ポイント」を無料でダウンロードする

1. リファラル採用とは?

リファラル採用の意味と注目を集めている理由を解説します。

リファラル採用とは何か

リファラル採用とは、英語のReferral(紹介)とRecruiting(採用)を組み合わせた「Referral Recruiting(リファラル・リクルーティング)」と呼ばれる採用手法です。

3362 01

企業が自社の社員に対し、募集をかけている求人にマッチする知人や友人を紹介してもらい採用する手法です。

人事が社員に対して、「紹介したい」と思ってもらえるかどうかが重要な採用手法です。必然的により良い会社づくりが求められるので、会社にとっても、社員にとっても良い取り組みにつながります。

リファラル採用が注目を集めている3つの理由

リファラル採用が注目を集めている理由は下記の3点が挙げられます。

  • 離職した人員を補充する採用が増えているため
  • 優秀な人材の獲得が困難になっているため
  • 採用コストへのメリットが大きいため

多くの企業では社員の採用と定着が別々の部署にミッションとして設定されているため、採用活動時に「離職しない人材を採用する」観点が抜けがちです。離職した人員の補充分が次の採用数に追加されるので、担当者は採用目標の達成が困難になります。

リファラル採用により、離職しない人材を採用することで、このような課題の解決が可能です。他にも、リファラル採用には優秀な人材の獲得ができるなど、大きなメリットがあるため注目を集めています。

リファラル採用と縁故採用の違い

日本にも古くから縁故採用という似た採用手法がありますが、リファラル採用と縁故採用とでは「採用することを前提とした特別な選考かどうか」という観点で特徴が大きく異なります。

◆リファラル採用の特徴

血縁関係にある方や親族だけでなく、知人や友人を自身の企業へ紹介して採用する手法を指します。

採用することが前提ではないので特別な選考ステップは設けず、他の採用手法と同じ選考ステップで採用合否を判断します。

◆縁故採用の特徴

縁故採用は、血縁者や親族を紹介して採用する手法です。

立場を利用した紹介が多く、採用されることが前提となっている特別な選考ステップを設けている採用手法です。

2. リファラル採用の基本的な仕組み

ここでは、リファラル採用の基本的な仕組みについて解説します。

  • 採用までの流れの仕組み
  • 社員が求められる役割

採用までの流れの仕組み

採用までの流れの仕組みは、以下の通りです。

  1. 社員が自社の文化や求人内容に適した友人や知人を思い浮かべる
  2. 社員が友人に対してカジュアルな形で声をかける
  3. 友人が企業に興味を持ったら、紹介してくれた社員を通じて人事担当者とつながる
  4. 正式な選考の前にカジュアルな面談や会社説明会に参加する機会を設ける
  5. 通常の選考プロセスへと進み、一般の応募者と同じ採用基準で合否を判断する
  6. 選考の終了後、推薦者である社員に対して、今後の紹介活動の参考にしてもらうために結果のフィードバックを共有する

このように、リファラル採用は社員の自然なネットワークを活用しながらも、公平な選考基準を維持する仕組みとなっています。

社員が求められる役割

リファラル採用において、社員は候補者と会社の「橋渡し役」としての役割を担います。

候補者に対しては会社の情報を正確に伝え、会社に対しては候補者のスキルや人柄といった情報を事前に共有することで、双方の理解を深め、より精度の高いマッチングが可能です。

特に、候補者に対しては、実際に働いている社員だからこそ語れる以下のような情報を伝える必要があります。

  • 自社の魅力
  • 企業文化
  • 具体的な仕事内容
  • 給与や待遇といった条件面
  • 働く環境
  • 社員の人柄

求人票だけでは伝わりにくいリアルな情報を届けることで、候補者は入社後のイメージを具体的に描けるようになるでしょう。

「リファラル採用」を成功させる秘訣をチェック
≫ 「リファラル採用の3つの失敗と7つの成功ポイント」を無料でダウンロードする

3. リファラル採用と従来の採用手法の違い、使い分け

リファラル採用は「ダイレクト採用、採用媒体、人材紹介」に並ぶ第4の手法と言えます。手法ごとに違いを整理してみます。

手法コスト手間人数コントロール
リファラル採用難しい
ダイレクト採用差が激しい小~中やや可能
採用媒体差が激しいコスト次第やや可能
人材紹介差が激しいコスト次第可能

リファラル採用は手間はかかりますがコストを抑えながらも質の良い人材の採用が可能なことがわかります。

手間や人数、コントロールの側面に関しては採用支援サービスを展開しているプロの手を借りることで解消が可能です。

4. リファラル採用のメリット

リファラル採用のメリットについて解説します。

離職率が低い人材を採用可能

リファラル採用は、職場と候補者を理解している社員の紹介から採用するため、候補者と職場のカルチャーとのマッチ度が高くなります。候補者は入社後も社内に馴染みやすく、オンボーディングがスムーズに進むため、すぐに活躍してくれます。

結果として離職しない人材の採用が可能です。

採用コストの削減

採用コストとしては、ナビサイトを利用した場合、採用に一名あたり50万円〜100万円がかかります。また、人材紹介エージェントを利用した場合は、100万円以上の紹介料がかかります。

リファラル採用は社員からの紹介のため、採用コストを0円とすることも可能です。リファラル採用の報酬(インセンティブ)を社員に支払う場合でも、ナビサイトや人材紹介エージェントと比較して、採用コストは大幅に削減できます。さらに、リファラル採用は離職しない人材を採用できるので、離職した人員を補充する採用が不要となり、金銭面と面接工数面で採用コストが削減できます。

転職市場外の人材も採用可能

リファラル採用は社員が一緒に働きたい友人や知人を紹介するため、転職意向がない人材も候補者に挙がります。

つまり、転職サイトや人材紹介エージェントでは集まりにくい、優秀な転職潜在層にもアプローチが可能です。

すぐに転職する意欲がない候補者には定期的に接触し、自社の魅力を伝え続けることで、将来的に候補者が転職を考えたタイミングで自社の選考を受けてもらえます。タレントプールという手法を活用したアプローチが重要になります。

5. リファラル採用のデメリット

メリットが大きいリファラル採用ですが、正しく運用しなければ思わぬトラブルにつながることもあります。ここからはリファラル採用のデメリットについて解説します。

採用に至るまでに時間がかかる

「今すぐ転職をしたい」と考えていない転職潜在層にアプローチできるのもリファラル採用のメリットです。一方で転職潜在層と接点を作り自社に入社してもらうためには時間がかかります。

候補者とは継続的に接点を持ち、しっかりと自社の魅力を伝えていく仕組みを作りましょう。

報酬(インセンティブ)目的の紹介

リファラル採用の報酬(インセンティブ)を設計している場合、高すぎないか考える必要があります。インセンティブが高すぎる場合は、報酬を目的とした紹介が発生し、自社にマッチしない人材の応募が増加します。

適切な報酬(インセンティブ)の設計をしましょう。

人材の同質化

リファラル採用では、仲の良い友人や価値観の合う知人を紹介するケースが多いため、似たような社員が集まる傾向もあります。

制度設計時の「どのような人物を採用するか」というペルソナ設計と社内告知で回避できます。

不採用時にケアが必要

リファラル採用は通常の選考ステップを踏むため、選考中に不採用になることもあります。

人事から社員に「紹介してください」とお願いして、紹介してもらった候補者を不採用にすることで、社員と候補者の人間関係に亀裂を入れてしまう可能性があります。

6. リファラル採用の促進方法

次はリファラル採用を成功させるための方法を解説します。

  1. 社員が自社を紹介する状態になっているか把握
  2. リファラル採用の制度設計
  3. 報酬(インセンティブ)の設計
  4. 効果的な社内告知
  5. 状況に適した施策を設計
  6. 施策の成果を可視化してPDCAサイクルを構築

1.社員が自社を紹介する状態になっているか把握

社員から紹介が発生する状態にするためには、eNPS(Employee Net Promoter Score:従業員の自社に対する愛着や満足度、働き甲斐などを数値化した指標)の他に8つの要素が必要となります。

eNPS以外の8つの要素は、以下の通りです。

  1. 制度認知
  2. ポジション認知
  3. ペルソナ認知
  4. 人脈
  5. 魅力伝達
  6. 紹介手順の煩雑さ
  7. 必要性の理解
  8. 心理的ハードル

我々はリファラル採用の支援を通して、これらの要素を導き出しました。これらの要素を定期的に可視化し、データに基づいた適切な改善が可能になります。

さらに詳しく知りたい場合は下記リンクよりお問い合わせください。

≫ リファラル採用についてのご相談はこちら

2.リファラル採用の制度設計

リファラル採用を促進するうえでは、制度設計は欠かせません。

特に、下記項目を設計する必要があります。

  • リファラル採用でどのような職種や人物を採用するのか
  • リファラル採用を促進するためにどのような体制が必要か
  • 社内告知の方法はどのような手段で実施するか

社員から紹介が発生する状態を把握した際に取得したデータを活用すれば、最適な制度設計ができ、促進も早く大きな成果につながります。

3.報酬(インセンティブ)の設計

リファラル採用では、報酬(インセンティブ)を設計した方が促進をしやすくなります。

ただし、紹介料を高く設計しすぎると、報酬をもらうためだけの目的で紹介が発生し、マッチした人材に会えないことで、採用をできないだけでなく面接をする工数が増えます。

4.効果的な社内告知

効果的な社内告知は、下記の方法で実施します。

  • 社員から紹介が発生する要素を網羅して発信
  • 複数のチャネルから社内告知
  • 経営層(トップ)からのメッセージを発信
  • 継続的な社内告知

効果的な社内告知を進めながら、定期的に「社員から紹介が発生する要素」を計測してPDCAを回せる環境を構築することをおすすめします。

5.状況に適した施策を設計

リファラル採用の促進には、社員から紹介が発生する状態にするための要素がどのような状態にあるかを把握したうえで、最適な施策を設計することも重要です。

心理的ハードルの数値が高く、その要因が「友人の人生を左右するような紹介は避けたい」というものであれば、選考への集客ではなく会社説明会や採用イベントへの集客をリファラル採用の受け皿とするなど、状況に応じた施策設計で成果が大幅に変わります。

6.施策の成果を可視化してPDCAサイクルを構築

最適な施策を実行したあとは必ずその成果を計測することが次の改善につながります。

受け皿の変更を行った場合、どれだけの紹介数が増えているのか、ポスターやアプリを活用した紹介依頼を実施したら、どのようにリファラル採用の成果が変化しているのかを把握し、仮説と検証をしながら、より良い改善施策を設計していきます。このようなPDCAサイクルをリファラル採用でも構築すべきです。

7. リファラル採用に失敗しないための注意点

リファラル採用は、多くの企業で導入されている採用手段である一方で、運用の成功がむずかしいと言われています。

リファラル採用は手順を整理しておかないと、人事および社員の手間が増える採用手法となりがちです。社員の紹介がメールや社内SNS、チャット、口頭ならどうでしょう。相手からもらうべき情報はどうしますか?

紹介相手をどのように人事に繋いでくれるのがいいでしょうか?直接連絡しても問題ないのでしょうか?

例えば以下のような点を整理しておく必要があります。

複雑な紹介プロセスの設計とコントロール

リファラル採用も選考の1つなので、選考プロセスを配慮したフローを作成しましょう。

  • どのような形で紹介してもらい、その紹介に対して紹介者にはどのようなお礼とメッセージを伝えておくか
  • 紹介してもらった相手には、どのようなアプローチで最初の接点を持つか
  • 「先方が転職顕在層だった場合」と「そうでない場合」とで対応方法に違いはあるのか

絶対的な正解はありませんが、フレームワークを用いてケースごとに整理しておくことを推奨します。

人事の業務整理

採用に関わる情報の整理は、人事業務の中でも重要なタスクとなっているはずです。誰に、いつ、何を、どのように提供し、現在のステータスはどのようになっていて、次のアクションはこのようになっている。これをきちんと可視化しておく必要があります。

紹介してくれる社員のフォロー

友人を自社に紹介することは高いハードルがあるという話をしましたが、これを乗り越えて、紹介してくれたことに対して、会社として、そして人事担当個人として、承認と賞賛のメッセージを伝えることは、非常に重要です。

採用プロセスの途中結果を紹介した社員に共有すべきかは議論の余地がありますが、結果、紹介された友人の採用、不採用に関わらず、きちんと結果は伝えること。またその判断ポイントを共有しておくことで、次回以降の紹介基準を整理してもらえます。

社員側にコミットさせる指標にしない

リファラル採用は「頭数を揃えるための採用手法」ではないので、人事の思うような計画通りに採用人数が揃わないこともあります。それを「みんなが紹介してくれないからだ」というような社員側の責任のように押し付けてはいけません。

それよりは、社員全員が採用に携わっている意識、会社の重要な資産である人的資源への意識を高め、日頃からの社内外の取り組みや人脈作りのアンテナを高めてもらうことに注力すべきです。

8. リファラル採用をスムーズに進めるための方法

ここでは、リファラル採用をスムーズに進めるための方法について解説します。

  • 採用までの仕組みづくりを十分に実施する
  • 専門家のサポートを受ける

採用までの仕組みづくりを十分に実施する

リファラル採用をスムーズに進めるには、社員が紹介活動に参加しやすい仕組みを整えるのが重要です。

社員が友人や知人へ手軽に募集情報を共有できるよう、紹介プロセスを可能な限り簡易化しましょう。複雑な手続きや多数の書類提出が必要では、社員の紹介意欲を削いでしまうためです。

また、どのような人材を求めているのか、具体的な人物像や採用基準を社内で明確に共有するのも重要です。社員が「誰を紹介すればよいかわからない」という状態では、適切な候補者の紹介は期待できません。

こうした仕組みの構築には専門的な知識が必要になるため、自社だけで進めるのが難しい場合は、専門家や専用ツールの力を借りるのがおすすめです。

例えば、リファラル採用に特化したクラウドツール「Refcome(リフカム)」などを活用することで、効率的な運用が期待できます。

専門家のサポートを受ける

リファラル採用の経験が少ない企業では、専門家のサポートを受けることで失敗を避け、早期に成果を出せます。

専門の担当者がリファラル採用活動全体を運用してくれるサービスもあり、自社のリソースが限られている場合でも本格的な取り組みが可能です。

また、専用ツールを活用すれば、紹介状況の可視化や候補者の進捗管理、社員へのフィードバックなどを一元管理でき、人事担当者の業務負担の軽減も可能です。

専門家のサポートを受けることで、円滑にリファラル採用の導入や運用が実現できます。

「リファラル採用」を成功させる秘訣をチェック
≫ 「リファラル採用の3つの失敗と7つの成功ポイント」を無料でダウンロードする

9. リファラル採用を実施する際に必要なコスト

ここでは、リファラル採用を実施する際に必要なコストについて3つの観点で解説します。

  • 報酬(インセンティブ)
  • 会食費用
  • サービス利用料金

報酬(インセンティブ)

リファラル採用を積極的に活用している多くの企業では、紹介してくれた従業員に対して報酬(インセンティブ)を支払う制度を設けています。

紹介という手間のかかる協力への感謝を示すとともに、制度の利用を促進するための重要な動機付けとなります。

報酬の金額は企業によって大きく異なりますが、一般的には1万円から30万円の範囲で設定されることが多いようです。

注意点として、職業安定法により従業員に人材紹介の対価として報酬を直接渡すと違法となる場合があるため、賃金や給与の一部として支払うようにしましょう。

会食費用

リファラル採用を目的に、社員と候補者が会食するための費用を会社が負担する場合があります。これにより、社員はハードルが下がり、友人や知人に声をかけやすくなるといった効果が期待できます。

社員は費用を気にせず積極的に候補者と交流でき、候補者もリラックスした状態で企業のリアルな情報を得られるでしょう。

費用の相場は、ランチの場合で1回あたり1,000円程度、ディナーなど本格的な会食の場合は1回あたり3,000〜5,000円が一般的です。

サービス利用料金

リファラル採用をより効率的に進めるためには、専用のツールや専門家のサポートを導入するのがおすすめです。もし、リファラル採用に関連するサービスを利用する場合、システムの利用料金が発生します。

料金体系は提供されるサービスによってさまざまで、毎月定額の費用がかかる月額制や、採用が成功した場合にのみ費用が発生する成果報酬型などがあります。

自社の採用規模や予算にあわせて、最適なサービスを選択するのが重要です。

10. リファラル採用を成功させるために押さえておきたい数値

ここでは、成功するために押さえておきたい数値について解説します。

  • 社員からの協力数
  • 社員一人当たりの紹介の数
  • 応募以降の決定率

社員からの協力数

リファラル採用の浸透度を測る基本的な指標として、全社員のうち何人が紹介活動に協力してくれたかを人数と割合で把握しましょう。

社員からの協力数が低い場合、制度自体が社内に十分に認知されていないか、参加しにくい要因があると考えられます。

社員の協力数を高めるためには、定期的にリファラル採用の実施状況や背景、成功事例を社内に周知し、制度への理解と関心を深めるのが効果的です。

また、社内報や全社会議での共有、メールでの定期的なリマインドなど、複数の方法を活用して情報発信を継続しましょう。

社員一人当たりの紹介の数

制度の活性度を測るため、一人の社員が何人の候補者を紹介しているかを計測します。もし一人当たりの紹介数が少ない場合は、気軽に紹介できる環境や仕組みが整っていない可能性があるでしょう。

例えば、紹介手続きが複雑で時間がかかったり、どのようなポジションが募集されているのかわかりにくかったりすると、社員は紹介をためらってしまいます。

また、一人目を紹介してくれた社員に不満を抱かせてしまうと、次の友人をつなげようという意識が薄れてしまいます。

プロセスの見直しだけでなく、社員が継続して紹介したくなるような環境を作るのも心がけましょう。

応募以降の決定率

リファラル採用の最終的な成果を測るうえで重要な指標が、「応募以降の決定率」です。

応募以降の決定率とは、リファラル経由で応募があった候補者のうち、最終的に何人が採用に至ったかを示す数値であり、紹介のマッチング精度の高さを測る指標となります。

もし、紹介のハードルが低く応募者数が多くても、採用につながらなければ制度としての効果が弱くなってしまいます。

改善策として、社員が自社で活躍する人材の要件や人物像を具体的にイメージできるよう、情報提供を充実させるのがおすすめです。

11. リファラル採用の後に発生しやすいトラブルを避ける方法

ここでは、採用後のトラブルを未然に防ぐための具体的な方法として、以下の3つのポイントを解説します。

  • 事前に採用基準を周知する
  • 社員と応募者の関係性に影響が出ないように配慮する
  • 報酬を高額にしすぎない

事前に採用基準を周知する

リファラル採用であっても、選考基準は一般の応募者と完全に同じだと、社員と候補者の双方に明確に伝えておきましょう。

もし、「知り合いだから採用される」といった誤解があると、不採用時にトラブルになる恐れがあります。

リファラル採用の目的は単に採用人数を増やすのではなく、自社に適した優秀な人材を見つける点にあると、社員に正しく理解してもらいましょう。

また、候補者には事前に会社説明会や職場見学会を開催し、自社への理解を十分に深めた状態で選考に臨んでもらえるような環境を作るのがおすすめです。

社員と応募者の関係性に影響が出ないように配慮する

リファラル採用で候補者が不採用となった場合、紹介した社員と候補者の人間関係が悪化しないよう、企業側が最大限配慮するのも重要です。

まず、選考開始前の段階で、リファラル採用は縁故採用とは異なり、公平な基準で選考が行われると明確に伝えておきましょう。

そして、選考結果を伝える際には、紹介してくれた社員への感謝を述べるとともに、不採用の理由を丁寧に説明するのが重要です。

もし、フォローを怠ると、社員は今後の紹介活動への意欲を失うだけでなく、会社への不信感を抱く可能性があります。

選考プロセス全体を通じて、透明性と誠実さを保つのが大切です。

報酬を高額にしすぎない

報酬を高額に設定しすぎると、職業安定法における「有料職業紹介」に該当すると判断され、法律違反となる恐れがあります。

有料職業紹介事業を行うためには厚生労働省の認可が必要であり、無認可で行うと罰則の対象となるためです。

一般的に、報酬が30万円を超えると高額とみなされやすいため、金額設定には十分な注意が必要です。

また、社員に直接報酬として渡すと「有料職業紹介」に該当する可能性があります。給与の一部として支給するなどとし、支給条件やルールを就業規則などに明記しておくのが重要です。

12. リファラル採用が効果を発揮する2つのケース

ここでは、リファラル採用が特に効果を発揮する代表的な2つのケースについて解説します。

  • 中長期的に採用コストを抑えたい場合
  • 社員の定着率を向上させたい場合

中長期的に採用コストを抑えたい場合

採用活動を中長期にわたって継続的に実施していると、採用担当者の人件費や求人広告費、資料作成費などのコストが積み重なっていきます。

特に、求人媒体への掲載料や人材紹介会社への成功報酬は、1件あたりの金額が大きく、採用予算を圧迫する要因です。

リファラル採用に切り替えると、紹介がメインになるため外部サービスへの支払いを削減でき、一人当たりの採用コストを低減できます。

報酬やサービス利用料などの経費は発生しますが、従来の採用手法にかかるコストと比較すれば、中長期的なコスト削減につなげられます。

社員の定着率を向上させたい場合

リファラル採用は社員の定着率向上も期待できます。

実際に社内で働いている社員が、自社の文化や雰囲気を理解したうえで、適合する人材を紹介するため、採用のミスマッチが発生しにくくなります。

さらに、友人や知人同士で働き始めると、入社後の孤立感が軽減されて職場への適応がスムーズになる点もメリットです。すでに知っている同僚がいれば心理的な安心感が得られ、早期退職のリスクも低下します。

リファラル採用によって定着率が向上すると、再度の採用コストを削減できるだけでなく、組織の安定性や生産性の向上にもつながります。

13. 採用領域別のリファラル採用の事例

ここでは、Refcomeを導入した企業の事例をもとに、3つの採用領域における成功事例を紹介します。

  • 中途採用のリファラル採用
  • 新卒採用のリファラル採用
  • アルバイト採用のリファラル採用

中途採用のリファラル採用

「スモールビジネスを世界の主役に」をミッションとして掲げ、会計ソフトや業務委託ツールなど幅広いサービスを展開しているfreee株式会社。

同社では、創業当初からリファラル採用を推進していましたが、事業拡大に伴い、紹介プロセスの煩雑化や、成果の数値化ができていないという課題に直面していました。

「数値の可視化による効果的なPDCA」や「紹介プロセスの簡易化」を目的にRefcomeのリファラル採用ツールを導入。結果として、社員は簡単な操作で友人に募集情報を送れるようになり、人事はオペレーションを統一できたため効率性が向上したそうです。

現在では、ポジションごとに紹介協力を周知できたり、メールやLINE、Facebookなど社員の使いやすい方法で紹介できたりするため、非常に便利だという声をいただいています。

関連記事:リファラル採用の紹介プロセスを可視化し、簡易化することによって中途採用での成果を最大化

新卒採用のリファラル採用

プライム市場上場の産業機械メーカーの株式会社荏原製作所。同社では、専門性の高い若手人材の採用競争が激化しており、エージェントやナビサイトだけでは人材の確保が厳しくなっていました。

また、学生への知名度も高くないため自社の魅力が伝わりきっていないという課題を抱えていたそうです。

そこで新卒枠としてリファラル採用を導入し、Refcomeのツールも活用しました。

リファラル採用の導入後は、社員に対して募集ポジションをわかりやすく伝える体制や、簡単に友人を紹介できる環境を構築。

現在では、難しいと考えていた専門性の高い若手の中途人材の採用が可能になるといった成果につながっているそうです。

関連記事:100年企業、荏原製作所が実践する新卒リファラル採用とは

アルバイト採用のリファラル採用

飲食業を中心に幅広い事業を展開する株式会社glob。同社では、アルバイトのメインターゲットである高校生や大学生に、従来の紙媒体では情報が届きにくくなり、応募者確保が困難になるという課題がありました。

そこで、既存のアルバイトスタッフからの紹介を活性化させるべく、Refcomeのツールも活用しながら、リファラル採用の仕組みを本格的に導入しました。

特に、「店長がアルバイトの入社オリエンテーションで制度説明とアプリ登録をお願いする」といった取り組みが、効果を発揮したそうです。

現在では、ツールを導入してわずか数ヶ月で100名以上の採用に成功するなど、アルバイトの自力採用体制の構築に貢献しています。

関連記事:アルバイト採用のパラダイムシフト〜glob様のアルバイト採用戦略〜

「リファラル採用」を成功させる秘訣をチェック
≫ 「リファラル採用の3つの失敗と7つの成功ポイント」を無料でダウンロードする

14. リファラル採用の促進を検討する際にはRefcomeにご相談ください

リファラル採用の意味やメリット・デメリットについて解説しました。

リファラル採用に取り組むことで人手不足を解消しながら高い定着性で安定した事業運営が可能になります。

Refcomeでは企業の中に深く入り込んで支援し、採用課題を解決します。

人手不足や定着率など、採用に関わるお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。

≫ リファラル採用についてのご相談はこちら